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約束のピンキーリング
第8章 グ
ゆっくりとまどろみが戻った空気の中で。
「愛してるよ」
もう一度言われたその言葉は
私の身体中をしびれさせた。

「そうだ!ねぇ!結婚する気がないって何?」
ふと思い出して問い詰めてみる。
「あぁ、あれね」
「なぁに?」
「得意先で、俺の事を気に入ってくれた人が娘さんを紹介して来て」
「え!そんな事って本当にあるの?」
「な。俺もビックリ。で正式に加賀部長を通して話を持ってきたんだよ」
「へぇ~」

「加賀部長も『中村さんをモノにできないならそれも良いかもな』なんて俺を煽って」
「・・・・」
「あの人、ほんと人が悪いよ」
「・・・・」

「その話が経管でばれて。俺はその人と結婚するつもりがないって事」
「そっか」
「盗み聞きでいいことは聞けないんだぞ。分かった?中村さん」
「今回でよく分かりました」

「もう、迷わないで。俺のためだけに咲いて」

私の左手にはまったエンゲージリングをもてあそびながら
ほんの少し照れながら、気障なセリフを吐く。

「そうね。あなたのためだけの私でいさせて」

そっと彼の頬に約束のキスをした―――


The pinkey ring is a sign of the promise.


END****

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