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約束のピンキーリング
第5章 ☆
あれから1ヶ月、ほぼ毎日一緒にご飯を食べに行って
帰りにキスをされて抱きしめられて駅の改札に送り出される。

思いっきりいやらしいキスをするくせに
ふと気が付いたように唇を離して、そっと私を抱きしめる。

無言のその行為が、逆に私を口説いているようで
毎日帰り路にその行為を待つ私がいる。

大きな手で優しく髪をなでられて
少しさみしいような顔でキスをする。

そしてそれ以上は手をだしてこないし、私を求めもしない。

キスの後の乱れた吐息に同調するように私の吐息も荒くなる。

抱きしめられるとき私の両手に力も入って
昨日は・・・

「抱きしめられた」んじゃない。
「抱きしめあった」んだ。

翌朝には、昨夜のそんな雰囲気を綺麗に消して
朝一から指示がバンバン飛んでくる。

傍からみたらものすごくビジネスライクな関係で
毎晩別れ際にキスをしているとはきっと誰も思わない。

それでも恋人という関係に今一歩踏み込めないのは
岡本主任との結婚を考えられないから。

もう、結婚しない相手とお付き合いするほど若くはない。

男の28と女の31は・・・

大きく違う。
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