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約束のピンキーリング
第6章 リ
ほんの少し、ポーっとしている間に
岡本主任は、会議室から自分の上着と荷物を持って出てきた。
会議室が施錠されているかをいつものように注意深く確認して
そのまま私の横まであっという間にたどり着く。
何も言わない私の代わりに
エレベーターの下降ボタンを押し、
じっと待つ間に私の手を握る。
このままエントランスを通るの?
ふと不安になってほんの少し手をよじると
「大丈夫」
と、何が大丈夫なんだか・・・
岡本主任はそんな言葉を優しく発した。
それでも、その言葉に騙されて
私の手はそのまま岡本主任の手のひらの中に納まった。
駅に向かう途中でタクシーを拾って
2人とも無言でそれに乗り込む。
岡本主任の部屋まで2人とも何も話さないで・・・
「俺、武田さんに叱られちゃうな」
たった一言、岡本主任が可笑しそうにそう呟いた。
マンションのエレベーターの中で
「お腹空いてる?」
と聞かれ、小さく首を振る。
私のその姿に苦笑いして
「後でデリバリーでも良い?」
申し訳なさそうにそう呟いた。
「うん」
それだけ言うのが精いっぱいで。
岡本主任は、会議室から自分の上着と荷物を持って出てきた。
会議室が施錠されているかをいつものように注意深く確認して
そのまま私の横まであっという間にたどり着く。
何も言わない私の代わりに
エレベーターの下降ボタンを押し、
じっと待つ間に私の手を握る。
このままエントランスを通るの?
ふと不安になってほんの少し手をよじると
「大丈夫」
と、何が大丈夫なんだか・・・
岡本主任はそんな言葉を優しく発した。
それでも、その言葉に騙されて
私の手はそのまま岡本主任の手のひらの中に納まった。
駅に向かう途中でタクシーを拾って
2人とも無言でそれに乗り込む。
岡本主任の部屋まで2人とも何も話さないで・・・
「俺、武田さんに叱られちゃうな」
たった一言、岡本主任が可笑しそうにそう呟いた。
マンションのエレベーターの中で
「お腹空いてる?」
と聞かれ、小さく首を振る。
私のその姿に苦笑いして
「後でデリバリーでも良い?」
申し訳なさそうにそう呟いた。
「うん」
それだけ言うのが精いっぱいで。