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約束のピンキーリング
第7章 ン
プロジェクトも終盤に差し掛かってきたとき
秘書課に用事があって夕方近くに会議室の階に降りると
給湯室で何やら話し声が聞こえて
コーヒーを淹れてるの?
近づくにつれその声が鮮明になった。
「は?俺結婚する気なんか全くないよ?」
周りの笑い声とは裏腹に
岡本主任の真剣な、冷めた口調が聞こえて来て
あぁ、やっぱり―――
それが瞬時に思った感想だった。
小さく手が震えて、左手の小指にはまっているピンキーリングを右手で必死に探す。
ゆっくりとその場を離れて
そっと、今さっきのってきたエレベーターに再び飛び乗る。
無意識のうちに触っていたのはピンキーリングで
大丈夫。
やっぱり無意識のうちに自分に言い聞かせる
大丈夫。
まだ本気になってないから。
大丈夫。
何、が?
大丈夫なの?
本当に?
大丈夫。
どこが?
訳の分からない言葉の羅列が次々と頭に浮かんで
私は、考えるのを止める以外・・・
涙を止める術を知らなかった―――
秘書課に用事があって夕方近くに会議室の階に降りると
給湯室で何やら話し声が聞こえて
コーヒーを淹れてるの?
近づくにつれその声が鮮明になった。
「は?俺結婚する気なんか全くないよ?」
周りの笑い声とは裏腹に
岡本主任の真剣な、冷めた口調が聞こえて来て
あぁ、やっぱり―――
それが瞬時に思った感想だった。
小さく手が震えて、左手の小指にはまっているピンキーリングを右手で必死に探す。
ゆっくりとその場を離れて
そっと、今さっきのってきたエレベーターに再び飛び乗る。
無意識のうちに触っていたのはピンキーリングで
大丈夫。
やっぱり無意識のうちに自分に言い聞かせる
大丈夫。
まだ本気になってないから。
大丈夫。
何、が?
大丈夫なの?
本当に?
大丈夫。
どこが?
訳の分からない言葉の羅列が次々と頭に浮かんで
私は、考えるのを止める以外・・・
涙を止める術を知らなかった―――