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約束のピンキーリング
第7章 ン
その視線にハッとして後ろを振り向くと岡本主任が無表情で立っていて
「柳下」
「はい」
「この話は、終わったはずだ。残業が読めないって断ったよな?」
「そうですね。でもプロジェクトの解散が決まりましたよね?」
柳下くんより頭半分大きい岡本主任は一歩も動かずに
冷めた目で柳下くんを睨んでいるのに
その視線なんか、何ともないように柳下くんは静かに答える。
「それにこの話は僕と中村さんの話ですから」
「・・・」
「プロジェクトが終わり次第、岡本主任が中村さんのプライベートを仕事を理由に拘束することは無理だと思いますよ」
「柳下・・・」
「何ですか?」
「・・・」
「僕と中村さんの話はプライベートの事なので
岡本主任が口を出す権利はないと思います。
その権利があるのは中村さんの彼氏だけだと思いますが」
「・・・・」
「・・・・」
「で?中村さん、進めていいんですね?
良く考えて返事を下さい。今じゃなくても良いですよ」
口調は穏やかなのに
柳下くんの視線はわたしたち2人を交互に見て
じっと逸らさずに何かを言いたいようだった。
「あ、の」
「良いですよ。ゆっくりで」
急に優しくなった口調は、その空気の優しさにホッとして涙が一粒流れた。
「ゆっくり岡本主任と決めてください」
何もかも分かっているようなその口調は
誰よりも社内の人間関係に精通しているかのようだった―――
「柳下」
「はい」
「この話は、終わったはずだ。残業が読めないって断ったよな?」
「そうですね。でもプロジェクトの解散が決まりましたよね?」
柳下くんより頭半分大きい岡本主任は一歩も動かずに
冷めた目で柳下くんを睨んでいるのに
その視線なんか、何ともないように柳下くんは静かに答える。
「それにこの話は僕と中村さんの話ですから」
「・・・」
「プロジェクトが終わり次第、岡本主任が中村さんのプライベートを仕事を理由に拘束することは無理だと思いますよ」
「柳下・・・」
「何ですか?」
「・・・」
「僕と中村さんの話はプライベートの事なので
岡本主任が口を出す権利はないと思います。
その権利があるのは中村さんの彼氏だけだと思いますが」
「・・・・」
「・・・・」
「で?中村さん、進めていいんですね?
良く考えて返事を下さい。今じゃなくても良いですよ」
口調は穏やかなのに
柳下くんの視線はわたしたち2人を交互に見て
じっと逸らさずに何かを言いたいようだった。
「あ、の」
「良いですよ。ゆっくりで」
急に優しくなった口調は、その空気の優しさにホッとして涙が一粒流れた。
「ゆっくり岡本主任と決めてください」
何もかも分かっているようなその口調は
誰よりも社内の人間関係に精通しているかのようだった―――