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雨月喫茶のヒミツ
第1章 春の月* 泡沫に溺れる
翡翠はさりげなく少女を見る。
紅茶を飲み終わった少女はクッキーを食べーーそれから、沈んだ。
「効きすぎたな。でもそのぶん、いい夢魅せてあげるから」
少女が次に目を覚ましたら天蓋ベッドの上にいた。紅茶を飲んで、クッキーを食べて……それから?
身体が思うように動かない。
「お目覚めですかお嬢さん」
優雅に微笑む翡翠じゃない、誰か。
「翡翠の代者、蛍斗だよ。ごめんね?翡翠すぐ熱中しちゃうから」
くすくす笑う。可愛いらしい感じの少年で、笑うとさらに可愛い。紅茶色の髪から覗く群青色の瞳が宝石みたいで綺麗だ。翡翠とはまた違う、美しさ。
「君は、食べたらどんな味がするのかなーーお互い楽しもうよ。お嬢さんもう、ここすごいよ……たくさん、溢れてる」
「!」
カッと身体が熱くなる。
少年はただ、じっと見つめてるだけ。
「は……く……」
「僕をもっと、楽しませてよ」
……翡翠のばか。
少女はあの青年を心底呪った。
紅茶を飲み終わった少女はクッキーを食べーーそれから、沈んだ。
「効きすぎたな。でもそのぶん、いい夢魅せてあげるから」
少女が次に目を覚ましたら天蓋ベッドの上にいた。紅茶を飲んで、クッキーを食べて……それから?
身体が思うように動かない。
「お目覚めですかお嬢さん」
優雅に微笑む翡翠じゃない、誰か。
「翡翠の代者、蛍斗だよ。ごめんね?翡翠すぐ熱中しちゃうから」
くすくす笑う。可愛いらしい感じの少年で、笑うとさらに可愛い。紅茶色の髪から覗く群青色の瞳が宝石みたいで綺麗だ。翡翠とはまた違う、美しさ。
「君は、食べたらどんな味がするのかなーーお互い楽しもうよ。お嬢さんもう、ここすごいよ……たくさん、溢れてる」
「!」
カッと身体が熱くなる。
少年はただ、じっと見つめてるだけ。
「は……く……」
「僕をもっと、楽しませてよ」
……翡翠のばか。
少女はあの青年を心底呪った。