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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第1章 初夜の問題
 ビスカスは道具を扱うことは大変不器用でしたが、身体能力は猿並みで、一度体で憶えたことは忘れません。
 そんなビスカスの趣味は、下ネタです。実際に女を抱くのは初めてでしたが、知識だけは無駄に大量に蓄えられて居ります。
 その上、ビスカスはローゼルの事をローゼル以上に大切にして、心を砕いて長年仕えておりました。ローゼルの反応は例え僅かでも見逃す事は無く、何か有ったらすかさず手助けし、ローゼルの幸せだけを願って尽くし続けて来た様な人間です。
 ローゼルは全く予想していませんでしたし、ビスカスも全然気付いておりませんでしたが、初めての交わりであろうが何であろうが、ビスカスにとってはローゼルに悦びを与える事など、容易い事で有ったのです。

「あっ、あ、あん、あ」
「……嫌なこたぁ、ねーですか?」
「っ!……嫌じゃ、ないわ……っ」

 耳元で囁かれたローゼルは、体の奥をきゅっと掴まれた様に感じました。
 ビスカスは、歌と踊りの名手です。歌う声とは違いますが、普段の声も耳に馴染み深みのある、非常に良い声をしています。今までそんな風に感じたことの無かったビスカスの声に含まれた艶に、ローゼルは訳も分からず震えました。

「お嬢様?」
「な、に……」
「触るだけじゃなく、舐めてみても良いですか?」
「……嫌だったら、そう言うから……好きな様になさぃ……あっ?!あ、ぃやぁああん!」

 耳朶を吸われて耳介を舌で擽られ、ローゼルの体がびくびくと跳ねました。

「お嬢様っ!お嫌でしたか、すいやせん」
「ばかぁっ……」
「ほんっとすいやせん、調子に乗りやした……もうしやせんから」
「してっ」
「……へ?」
「今の嫌は、嫌じゃない嫌よっ」
「は?」
「ほんとに嫌な嫌だったら、お前を押し退けるから……それ以外は……言葉の綾よ」
「綾……ですか?」
「ええ。ついつい言ってしまってるだけで……嫌では無いの」
「ほんとに?無理しちゃいねぇですか?」
「してないっ」
「そーですか……」

 ビスカスはやや疑わしげに、気遣わしげに、ローゼルの胸に触れました。
 掌全体で形を確かめるようにやわやわと触れ、少しずつ力を入れて軽く揉み始めました。

「あっ……ん」
「痛くねーですか?」
「だい、じょうぶ……」

 痛いどころかもっと強くして欲しい様な気がしましたが、恥ずかしくて口にできません。
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