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セイドレイ【完結】
第22章 種
薄暗いときには分からなかったが、部屋の壁という壁を埋め尽くすように、おびただしい枚数の写真が貼られていた。
そのどれもが──亜美と慎二の "痴態" を写し出したもの。
おそらく、地下室のモニターで録画された映像をスクリーンショットし、紙に拡大プリントしたものだろう。
さまざまな角度から切り取られたその1枚1枚の写真には、亜美がこれまで慎二から受けた陵辱の記録が刻まれている。
亜美、そのあまりのむごたらしさに目を覆いたくなった。
(これぜんぶ…本当にに私なの──?)
写真からは、小さなスマホの画面で見る映像とはまったく違う凄みがあった。
それらは不規則に貼られているようで、実は慎二なりの美学が詰まっている。
亜美の全身が単体で写っているもの。
顔、胸、尻、性器などのパーツ別。
フェラやイラマチオなどの口淫。
そして、挿入時の局部の接写や体位別など──おおよそにカテゴライズされていたのだった。
もはや狂気の沙汰である。
「──どう??すごいだろぉ?!めちゃくちゃ時間かかったんだからな!奴隷のためにここまでするご主人様なんて普通はいないぞ??」
「あっ…ああっ──」
「ん?あれー?なんか反応薄いなぁ~」
「あっ…あり、ありがとう…ございま…す…」
「ケッ…。ったく、そればっかりかよ。つまんねーの。まぁいいや、ほら、便器女!使ってやるからこっち来いよ」
ゴミが散乱する中、唯一の居住スペースともいえるベッドから慎二が手招きをする。
ベッドの周囲には丸められた大量のティッシュと、紛失したと思っていた亜美の下着が散乱していた。
それがなにをぬぐったものなのかは、簡単に想像がつくだろう。
汗やヨダレの黄染みがついたシーツの上で、慎二が下半身を露出させ、仁王立ちで待ち構えている。
慣れ、とは恐ろしいものだ──亜美は慎二に対する嫌悪感をあらためて思い知らされた。
(もう…イヤッ──)
亜美は慎二の前で膝立ちすると、その股間に顔をうずめた。
この悪臭に満ちた部屋の中でも、そこから漂う悪臭は鮮明に亜美の鼻を犯してくる。
「──今日はね、誰がお前のご主人様かってことを思い知らせようと思ってこの部屋に呼んだんだ」
そう言って、ピチピチと亜美の頬にマラビンタをする慎二。
「これがお前のご主人様の臭いだよ!良いっていうまで嗅いどけ!」