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セイドレイ【完結】
第24章 性夜の鐘

「あ~あ~もぉ~~!俺の聖域をションベンまみれにしちゃって~。このっ!お漏らし亜美っ!便器のくせにオシッコ漏らしちゃダメだろ!?」
「ああっ…だめっ…とまらっ…ない……あっあっ……ああぁっ──」
途切れ途切れに噴出する自身の尿で、亜美の制服は汚されていく。
その様子を部屋の外から、半分呆れたような顔で眺め、ため息をつく雅彦。
「──終わったら、亜美をワシの部屋に来させろ。なるべく早くだ」
「あーはいはい。終わったら、ね。終わるかな~?終わんないかもな~?」
「お前っ…──、調子に乗るのもそのくらいにしておけ。いいか?なるべく早くだ!」
そう言い放ち、雅彦はドアを思い切り閉めた。
そして1時間後──ようやく解放された亜美が雅彦へと訪れる。
「──やっと来たか。入りなさい」
「遅くなって…ごめんなさい。シャワーを浴びていたので…」
「構わん。お前に、この前の話し合いの結果を報告しておこうと思ってな」
「はい…」
雅彦は、「実は新堂からは亜美に言うなと口止めされている」との前置きしたうえで、先日の話し合いの顛末を説明する。
亜美はその話を静かに、しかしどこか強い眼差しで聴いていた。
「──ということだ。結局、彼の父親は最終的に一筆サインをしてあの日は帰った。もう一度話し合いの場を設けて謝罪させたあと、冬休み中に彼の自主退学の手続きは終わるだろう」
「そうですか…。分かりました」
意外にも、すんなりと事実を受け止めたように見える亜美。
もしかしたら亜美が取り乱すのではないかと思っていた雅彦は、やや拍子抜けしてしまう。
「彼が──水野貴之が退学になってもいいのか?しかも、お前を強姦し孕ませたという汚名を着せられるんだぞ」
「嫌ですよ。でももう決まったことなんですよね?私に止めることはできない。それに──」
「それに?」
「お父様が考えたことではないでしょう…?文句を言うべき相手なら他にいますから」
貴之を自主退学へ追い込んだのは新堂の仕業であり、あくまで雅彦はそれに従っているだけだということを亜美は見抜いていた。
新堂と雅彦の間に生じている "歪み" ──、亜美はさらにそこへ切り込んでいく。
「──口止めされていることを、こうしてわざわざ私に伝えた意図は何ですか?」

