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セイドレイ【完結】
第25章 暗転

「そうですっ…すごく分かりやすいし、的確だし…向いてると思うんですっ!」
「ん~そうかなぁ。亜美がそう言うなら…って、誰が働くかってーの!親父の言うことなんて無視ときゃいいんだよ~」
「で、でも……」
「あ!ならさぁ?俺が亜美の専属の家庭教師やってやるっていうのはどぉ?ご主人様もいいけど、先生~って呼ばせるのも悪くないしさぁ…グフフゥ!」
「い、いや…それは…。でも──また、分からないことがあったら聞いてもいいですか…?」
「ん?うん…しょうがないなぁ。特別だぞ?」
「あ、ありがとうございますっ…」
「──って、俺はこんなことするためにここに来たわけじゃな~い!亜美、行くよっ!?」
「えっ…?行くってどこに…?」
「もぅ。忘れちゃったの?プレゼントのお返し買いに、デートしてやるって言ったろ??せっかくこの俺がその気になったっつーのに…あ~テンション下がっちゃうなぁも~」
「あっ…す、すいませんっ…。行きます…けど、どこへ…?」
「グフゥ!…それは、ナ・イ・ショ!着くまでのお楽しみに決まってるだろぉ~?とにかくさ、早く準備して!」
「は、はい…分かりましたっ…」
亜美はそそくさと立ち上がると、クローゼットからコートを取り出し、それを羽織った。
「準備できましたっ…」
「あ~もぉ!分かってないな~。そんなふつーの恰好してどうすんの!ほら、ちょっとこっち来て!」
亜美は言われるがまま、おそるおそる慎二のもとへ寄る。
すると慎二は、亜美が着ている服をすべて脱がせ全裸にさせた。
そしてニーハイストッキングのみを履かせると、そこへコートを羽織らせたのだった。
「──こっ…これで外に出かけるんですか…?」
「なに?文句あんの?変態女にはこれがお似合いだよ~!グフゥ!グヘヘッ…──」
全裸にコートのみを羽織り外出をするなど、これではまるで変質者ではないかと亜美は思う。
こんな異常な行為に抵抗がないわけがない。
しかし亜美はここでも、念仏のように心の中で唱えるのだった。
(ここが私の家…。これが私の…家族────)

