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セイドレイ【完結】
第27章 愛
「き、君が…あの…水野君…だっけ?まじか、これが亜美の彼氏なのか……」
貴之のことをまじまじと見つめる健一。
亜美が唯一、自分から好意を抱いた男をいざ目の前にすると、健一は複雑な気持ちになった。
「ど、どうも…亜美の彼氏の水野貴之です。あなたは亜美の…上のお義兄さんですか?」
「お、おう…そうなんだけど、それはそうと、何でお前らが一緒に居るんだ…?」
慎二は、まずい状況になったと思っていた。
このままでは、亜美が連れ去られた原因を作ったことが健一に知られてしまう。
適当にこの場を取り繕うことも考えたが、貴之が犯人で無いと分かった今、優先すべきは亜美の命だ。
慎二は、健一にこれまでの状況を掻い摘んで話す。
そこには、動画の件をはじめとして健一の知らない事実が沢山あった。
「お前…!自分が何したか分かってんのかよ…!?」
話を聞き終えた健一が慎二を責め立てる。
「あーうっせーなぁ!だから兄貴には言いたく無かったんだよ…大体、何で俺だけが責められなきゃなんねーんだ!?兄貴だって亜美にやってたことは俺と同じようなもんじゃねーか!」
感情的になった慎二が思わず口を滑らせる。
すかさずそれに貴之が反応する。
「…ちょっと待ってください。今…何て言いました?お兄さんも同じ、って……それ、どういうことっすか!?まさか二人して…亜美をレイプしてたってことっすか!??」
あくまで貴之は、亜美に暴行を働いているのは慎二だけだと思っていた。
しかし、その兄である健一までもが…亜美に手を出していたというのか。
貴之のその言葉に、意外な反応を見せたのは健一だった。
健一は貴之の胸ぐらを掴み、こう言った。
「…おいてめぇ、亜美の彼氏だか何だか知らんが調子に乗んなよ。あのな、部外者が人ん家の事情に首突っ込んでんじゃねーよ。俺はな、亜美を愛してるし、将来的には籍も入れる予定なんだ。何より亜美がそれを望んでんだよ。亜美が選んだのはてめぇじゃねぇ、この俺だ。関係ねぇ奴はすっこんでろこのクソガキ」
そのあまりの豹変ぶりに、弟である慎二ですらうろたえる。
健一の形相からは、雅彦の面影が見て取れるようだった。
「ま、まぁ二人とも…ちょっと落ち着けよ…な?ここで言い争ってたって亜美が戻ってくる訳じゃないんだし…」
何故か、そもそもの原因を作った慎二が二人をなだめる。
貴之のことをまじまじと見つめる健一。
亜美が唯一、自分から好意を抱いた男をいざ目の前にすると、健一は複雑な気持ちになった。
「ど、どうも…亜美の彼氏の水野貴之です。あなたは亜美の…上のお義兄さんですか?」
「お、おう…そうなんだけど、それはそうと、何でお前らが一緒に居るんだ…?」
慎二は、まずい状況になったと思っていた。
このままでは、亜美が連れ去られた原因を作ったことが健一に知られてしまう。
適当にこの場を取り繕うことも考えたが、貴之が犯人で無いと分かった今、優先すべきは亜美の命だ。
慎二は、健一にこれまでの状況を掻い摘んで話す。
そこには、動画の件をはじめとして健一の知らない事実が沢山あった。
「お前…!自分が何したか分かってんのかよ…!?」
話を聞き終えた健一が慎二を責め立てる。
「あーうっせーなぁ!だから兄貴には言いたく無かったんだよ…大体、何で俺だけが責められなきゃなんねーんだ!?兄貴だって亜美にやってたことは俺と同じようなもんじゃねーか!」
感情的になった慎二が思わず口を滑らせる。
すかさずそれに貴之が反応する。
「…ちょっと待ってください。今…何て言いました?お兄さんも同じ、って……それ、どういうことっすか!?まさか二人して…亜美をレイプしてたってことっすか!??」
あくまで貴之は、亜美に暴行を働いているのは慎二だけだと思っていた。
しかし、その兄である健一までもが…亜美に手を出していたというのか。
貴之のその言葉に、意外な反応を見せたのは健一だった。
健一は貴之の胸ぐらを掴み、こう言った。
「…おいてめぇ、亜美の彼氏だか何だか知らんが調子に乗んなよ。あのな、部外者が人ん家の事情に首突っ込んでんじゃねーよ。俺はな、亜美を愛してるし、将来的には籍も入れる予定なんだ。何より亜美がそれを望んでんだよ。亜美が選んだのはてめぇじゃねぇ、この俺だ。関係ねぇ奴はすっこんでろこのクソガキ」
そのあまりの豹変ぶりに、弟である慎二ですらうろたえる。
健一の形相からは、雅彦の面影が見て取れるようだった。
「ま、まぁ二人とも…ちょっと落ち着けよ…な?ここで言い争ってたって亜美が戻ってくる訳じゃないんだし…」
何故か、そもそもの原因を作った慎二が二人をなだめる。