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セイドレイ【完結】
第27章 愛
閑話休題。
三人は、それぞれに思うところがありながらも、ここはひとまず協力して亜美を探し出すことにした。
現時点で有力な手がかりとなり得そうなのは、田中だけということになり、早速三人は健一の車に乗り込むと、田中の家へ向かってコンビニを後にした。
健一はこのことを雅彦に報告しようかどうか迷ったが、情報が確実で無い今は、とりあえず伏せておくことにした。
車を走らせること30分余り。
おぼろげながら、何とか田中の家までの道を覚えていた慎二によって到着した三人は、路上に車を停車し、部屋へと向かう。
ふと慎二が駐車場に目をやると、田中の車があった。
アパートの階段を駆け上がり玄関の前まで来ると、慎二がチャイムを鳴らす。
二回、三回と鳴らした後、チェーンがかけられた状態でドアが開き、その隙間から田中が顔を出す。
「し、師匠…!?一体どうしたんですか!?それに…他にも誰か居ます??」
突然の訪問者に驚く田中に、慎二が事情を説明する。
「あー…ごめん、田中さん。ちょっと…今、時間いいかな?昨日のこと…亜美のことでちょっと聞きたいことがあって…上がらせてもらってもいい?」
「あっ…ちょ、ちょっと待ってもらっていいすか?今、部屋が散らかってて…ちゃちゃっと片付けるんで…すいません」
「う、うん…なんかごめんね…気遣わせちゃって…」
田中は一旦ドアを閉めると、約二分程で再びドアを開けた。
「お待たせしました…どうぞ……」
三人は田中の部屋へ上がる。
田中は散らかっていると言ったが、慎二が見た限り、昨夜と何ら違った様子は無い。
「…し、師匠…その方たちは一体…?」
「あー、こいつら?えっと…こっちが俺の兄貴で…こっちが亜美の……」
「…彼氏です」
「そ、そう。亜美の彼氏」
「えっ…亜美ちゃん、彼氏居たんですね……」
「ん?うん、まぁそれはどうでもいいんだけどさ。実は…亜美がまだ戻って来なくって。…で、昨日の状況をさ、もうちょい詳しく聞きたいと思って…」
「あ…そうですか。亜美ちゃん、まだ戻ってないんですね……ええ、構いませんよ。と言っても、昨日お話したことが全てですよ。師匠が出かけたあと、チャイムが鳴ったんで師匠かと思って鍵を開けたんです。そしたら…あいつです。『タカ』がいきなり殴りかかってきて…部屋の中に居た亜美ちゃんを連れ去ってしまって」
三人は、それぞれに思うところがありながらも、ここはひとまず協力して亜美を探し出すことにした。
現時点で有力な手がかりとなり得そうなのは、田中だけということになり、早速三人は健一の車に乗り込むと、田中の家へ向かってコンビニを後にした。
健一はこのことを雅彦に報告しようかどうか迷ったが、情報が確実で無い今は、とりあえず伏せておくことにした。
車を走らせること30分余り。
おぼろげながら、何とか田中の家までの道を覚えていた慎二によって到着した三人は、路上に車を停車し、部屋へと向かう。
ふと慎二が駐車場に目をやると、田中の車があった。
アパートの階段を駆け上がり玄関の前まで来ると、慎二がチャイムを鳴らす。
二回、三回と鳴らした後、チェーンがかけられた状態でドアが開き、その隙間から田中が顔を出す。
「し、師匠…!?一体どうしたんですか!?それに…他にも誰か居ます??」
突然の訪問者に驚く田中に、慎二が事情を説明する。
「あー…ごめん、田中さん。ちょっと…今、時間いいかな?昨日のこと…亜美のことでちょっと聞きたいことがあって…上がらせてもらってもいい?」
「あっ…ちょ、ちょっと待ってもらっていいすか?今、部屋が散らかってて…ちゃちゃっと片付けるんで…すいません」
「う、うん…なんかごめんね…気遣わせちゃって…」
田中は一旦ドアを閉めると、約二分程で再びドアを開けた。
「お待たせしました…どうぞ……」
三人は田中の部屋へ上がる。
田中は散らかっていると言ったが、慎二が見た限り、昨夜と何ら違った様子は無い。
「…し、師匠…その方たちは一体…?」
「あー、こいつら?えっと…こっちが俺の兄貴で…こっちが亜美の……」
「…彼氏です」
「そ、そう。亜美の彼氏」
「えっ…亜美ちゃん、彼氏居たんですね……」
「ん?うん、まぁそれはどうでもいいんだけどさ。実は…亜美がまだ戻って来なくって。…で、昨日の状況をさ、もうちょい詳しく聞きたいと思って…」
「あ…そうですか。亜美ちゃん、まだ戻ってないんですね……ええ、構いませんよ。と言っても、昨日お話したことが全てですよ。師匠が出かけたあと、チャイムが鳴ったんで師匠かと思って鍵を開けたんです。そしたら…あいつです。『タカ』がいきなり殴りかかってきて…部屋の中に居た亜美ちゃんを連れ去ってしまって」