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セイドレイ【完結】
第29章 ぬけがら

翌日ーー。
貴之は朝早くから、とある屋敷の玄関の前に立っていた。
インターホンのチャイムを鳴らすと、屋敷の中から玄関へ向かってゆっくりとした足音が聞こえてくる。
「…あら、誰かと思えば…!どうしたんだい?こんな朝早くに…しかも、あんた一人かい?」
貴之の顔を見てそう驚きを口にしたのは、トメだった。
「…すいません、ちょっとトメさんに話したいことがあって……」
そう言った貴之の表情に、何かただならぬものを察知したトメは、貴之を部屋に上げた。
こたつに座ると、トメが貴之にお茶を差し出す。
「…ごめんねぇ、こんなもんしか無くて」
「い、いえいえ…お気遣いなく……ありがとう…ございます。こちらこそ、突然押しかけちゃってすいません」
「いいんだよぉ。それで、話したいことってなんだい?亜美ちゃんと何かあったのかい…?」
「それが………亜美が居なくなっちゃって」
貴之は、あくまで性的な描写は一切避けた上で話せる範囲に限り、亜美が何者かに連れ去られたかもしれないということを、トメに話した。
トメは、痛めた膝を擦りながらも、その話に身を乗り出すようにして耳を傾ける。
「そ、そりゃあ…とんだ一大事じゃないか!?警察は?亜美ちゃんの家の人は何をしているんだい??」
「それは…俺もよく…知らないんです。ただ、何か少しでも手がかりに、と思って……亜美のスマホを見せて貰えないかと思って、今日は来たんです…」
トメはハッとした顔をする。
「…そうじゃ。確か二学期の終業式の日に、亜美ちゃんが家を訪ねてくれたんじゃよ。だけど私がちょうど留守にしててねぇ。小屋にクリスマスプレゼントを置いて行ってくれたんじゃ。で、もしも冬休みの間、亜美ちゃんが携帯が必要になるといけないからって、いつも通りに小屋に置いといたんじゃが……今朝、庭いじりの道具を取りに小屋に行った時、携帯が無かったんじゃよ。気にはなっとったが、てっきり亜美ちゃんが持って行ったのかと……」
「えっ……ま、マジですかそれっ…!?」
亜美のスマホが無くなっているーー。
トメの話からするに、少なくとも終業式の日までは、小屋の中にあったことが分かる。
その後、亜美が連れ去られるまでの間に、亜美本人かもしくは、何者かが小屋からスマホを持ち出したことになる。
貴之は朝早くから、とある屋敷の玄関の前に立っていた。
インターホンのチャイムを鳴らすと、屋敷の中から玄関へ向かってゆっくりとした足音が聞こえてくる。
「…あら、誰かと思えば…!どうしたんだい?こんな朝早くに…しかも、あんた一人かい?」
貴之の顔を見てそう驚きを口にしたのは、トメだった。
「…すいません、ちょっとトメさんに話したいことがあって……」
そう言った貴之の表情に、何かただならぬものを察知したトメは、貴之を部屋に上げた。
こたつに座ると、トメが貴之にお茶を差し出す。
「…ごめんねぇ、こんなもんしか無くて」
「い、いえいえ…お気遣いなく……ありがとう…ございます。こちらこそ、突然押しかけちゃってすいません」
「いいんだよぉ。それで、話したいことってなんだい?亜美ちゃんと何かあったのかい…?」
「それが………亜美が居なくなっちゃって」
貴之は、あくまで性的な描写は一切避けた上で話せる範囲に限り、亜美が何者かに連れ去られたかもしれないということを、トメに話した。
トメは、痛めた膝を擦りながらも、その話に身を乗り出すようにして耳を傾ける。
「そ、そりゃあ…とんだ一大事じゃないか!?警察は?亜美ちゃんの家の人は何をしているんだい??」
「それは…俺もよく…知らないんです。ただ、何か少しでも手がかりに、と思って……亜美のスマホを見せて貰えないかと思って、今日は来たんです…」
トメはハッとした顔をする。
「…そうじゃ。確か二学期の終業式の日に、亜美ちゃんが家を訪ねてくれたんじゃよ。だけど私がちょうど留守にしててねぇ。小屋にクリスマスプレゼントを置いて行ってくれたんじゃ。で、もしも冬休みの間、亜美ちゃんが携帯が必要になるといけないからって、いつも通りに小屋に置いといたんじゃが……今朝、庭いじりの道具を取りに小屋に行った時、携帯が無かったんじゃよ。気にはなっとったが、てっきり亜美ちゃんが持って行ったのかと……」
「えっ……ま、マジですかそれっ…!?」
亜美のスマホが無くなっているーー。
トメの話からするに、少なくとも終業式の日までは、小屋の中にあったことが分かる。
その後、亜美が連れ去られるまでの間に、亜美本人かもしくは、何者かが小屋からスマホを持ち出したことになる。

