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セイドレイ【完結】
第29章 ぬけがら
ちょうどその頃、武田家では新堂と雅彦が話し合いをしていた。

「…すまないねぇ、朝早くから。とりあえず亜美の捜索は順調に進んでいる、とだけ……早速だがその中で、面白い事実が判明してねぇ」

捜査内容は明かせないのでは無かったのか。
不審に思いながらも、雅彦は新堂の言葉に耳を傾ける。

「亜美が居なくなった当日の、街中の監視カメラやら何やらを調べたところ、なんとお前の息子の慎二が一緒に行動していたことが分かってね。電車で移動していたようだが、お前はその事を知っていたか?」


「……あぁ。知ったのはもっと後になってからだが」


「…そうか。まぁそうだよなぁ。知っていたなら俺に伝えているはずだしな。…で、まぁそこから色々調べたところ、水野貴之も関与している可能性と、もう一人、とある男の関与が浮上していてね」


「…それについても、大体のことは慎二から聞いている。田中とかいう男だろう?動画サイトで知り合ったとかいう…」


「ははっ、なんだ全部知ってるんじゃないか。まぁいい、この際、お前の息子がしていたことに関しては特に責めるつもりはない。問題は、水野貴之の存在だ。あいつには、亜美は急遽留学することになったと伝えてあるだろう?しかし、今回のことに関与していたとなると、その嘘がバレてしまう。既にもう手は打ってあるが、念の為、お前に一芝居打ってもらいたくてな」


「…ワシに…また芝居をしろと?」


「…あぁ。何か問題あるか?全てはお前達のためだ。実は今朝、公安が亜美の筆跡を真似て作成した簡単な手紙を水野貴之の元へ届けてある。あくまで亜美本人が書いたように見せかけてな。しかし、到底その手紙の内容では、水野貴之は納得しないだろう。恐らくお前の所に確認に来るはずだ。その時に、今から俺の言う通りに対応して欲しい、ってことなんだよ」


雅彦は新堂の指示を黙って聞き入れた。

まさかそれが、全て新堂が仕組んだ事とも知らずに。

公安は捜査などしていないし、手紙も新堂が亜美本人に書かせたものだ。

行方不明になっているはずの亜美は、新堂が所有するマンションの一室に監禁されているのだ。


すると間もなくして、インターホンのチャイムが鳴る。


「…ふふっ、早速のおでましじゃあないか?さぁ雅彦、お前の芝居にかかってるんだ。頼んだぞ」
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