この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第30章 姿なき脅迫
亜美が姿を消し、約半月が過ぎた。
年が明け、男達は表面上、これまで通りの日々を送っていた。
これといって新堂からは、亜美の消息についての報告は無い。
雅彦と健一は医師としての勤めを果たし、慎二はまた自室に引きこもる毎日。
もちろん、誰一人として、亜美の存在を忘れていたわけでは無いのだがーー、亜美が居ないという現実を、誰もが受け入れられずに居た。
若い女性が殺害されたなどというニュースをテレビやネットで目にすると、それが亜美で無いことを祈った。
そして貴之は新学期を迎えていた。
ひとり貴之だけが、亜美が留学したという新堂の筋書きを信じていた。
しかし、恋人に突如、たった一枚の手紙のみで別れを告げられた彼もまた、失意の底をさまよっていた。
それぞれが亜美に想いを馳せる中、『それ』は突然やってくる。
とある日の早朝。
雅彦が新聞を取りにポストへ行くと、そこに差出人不明の郵便物が入っていた。
差出人どころか宛先さえ書かれていない15cm四方程の封筒には、何やら薄く固い物が入っているようだ。
何だか気味が悪い、と雅彦は思いつつ、部屋に持ち帰り封筒の中身を確認する。
すると、中から出てきたものは、ラベルの無い真っ白な一枚のDVDらしきものだった。
「…何だこれは…一体誰がこんな……はっ!も、もしかして…」
雅彦は慌ててそのDVDをデッキにセットする。
恐る恐る再生ボタンを押すと、そこには浴室が映し出されていた。
嫌な予感がするーー。
雅彦はゴクりと唾を飲み、画面を見つめていた。
撮影者が、ゆっくりと蓋が閉められた浴槽へ近付いて行く。
やがて、浴槽の蓋が開けられる。
そこに映っていたものはーー。
「…あ、亜美っ……!?」
雅彦は思わず目を疑った。
嫌な予感はしていたが、それが最悪の形で的中してしまった。
画面に映し出されていたもの。
それは、浴槽の中で目と口を塞がれ、手足を拘束され、鎖で繋がれた、紛れもない亜美の姿だった。
音はしない。
音量を上げてみても、どうやら音声は収録されていないようだ。
徐々に亜美の姿がアップになると、二穴にねじ込まれるように挿入された玩具に気付く。
「あぁっ……やめてくれ…一体、一体誰がこんなことを……?!」
年が明け、男達は表面上、これまで通りの日々を送っていた。
これといって新堂からは、亜美の消息についての報告は無い。
雅彦と健一は医師としての勤めを果たし、慎二はまた自室に引きこもる毎日。
もちろん、誰一人として、亜美の存在を忘れていたわけでは無いのだがーー、亜美が居ないという現実を、誰もが受け入れられずに居た。
若い女性が殺害されたなどというニュースをテレビやネットで目にすると、それが亜美で無いことを祈った。
そして貴之は新学期を迎えていた。
ひとり貴之だけが、亜美が留学したという新堂の筋書きを信じていた。
しかし、恋人に突如、たった一枚の手紙のみで別れを告げられた彼もまた、失意の底をさまよっていた。
それぞれが亜美に想いを馳せる中、『それ』は突然やってくる。
とある日の早朝。
雅彦が新聞を取りにポストへ行くと、そこに差出人不明の郵便物が入っていた。
差出人どころか宛先さえ書かれていない15cm四方程の封筒には、何やら薄く固い物が入っているようだ。
何だか気味が悪い、と雅彦は思いつつ、部屋に持ち帰り封筒の中身を確認する。
すると、中から出てきたものは、ラベルの無い真っ白な一枚のDVDらしきものだった。
「…何だこれは…一体誰がこんな……はっ!も、もしかして…」
雅彦は慌ててそのDVDをデッキにセットする。
恐る恐る再生ボタンを押すと、そこには浴室が映し出されていた。
嫌な予感がするーー。
雅彦はゴクりと唾を飲み、画面を見つめていた。
撮影者が、ゆっくりと蓋が閉められた浴槽へ近付いて行く。
やがて、浴槽の蓋が開けられる。
そこに映っていたものはーー。
「…あ、亜美っ……!?」
雅彦は思わず目を疑った。
嫌な予感はしていたが、それが最悪の形で的中してしまった。
画面に映し出されていたもの。
それは、浴槽の中で目と口を塞がれ、手足を拘束され、鎖で繋がれた、紛れもない亜美の姿だった。
音はしない。
音量を上げてみても、どうやら音声は収録されていないようだ。
徐々に亜美の姿がアップになると、二穴にねじ込まれるように挿入された玩具に気付く。
「あぁっ……やめてくれ…一体、一体誰がこんなことを……?!」