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セイドレイ【完結】
第33章 モノローグ
色んな男の人が居ますね。
皆さん、外ではそれなりに…良い人に見られている人ばかりで。

途中から私は、私のことをお金で買った人達の相手をすることになったんですけど、こんな人達が普段、誰かから慕われたり、尊敬されたり、奥さんや子供の前では父親の顔をしていたり…なんだか、考えると気が遠くなってしまいます。

もちろん、男の人がみんなそうとは思いません。
でも、私が見てきた人達は多かれ少なかれ、皆さん女性のことが怖いんじゃないかと思っています。

逆じゃないか…?
いえ、私はそうは思いませんでした。
無抵抗の私に、しかも圧倒的な腕力差がある私のことを、あんな厳重な地下室に閉じ込めることでしか自由にできないんですよ。

お金や暴力でしか女性を意のままにできないなんて、それは弱さの裏返しなんじゃないかと思っています。

セックスが好きか…?
そうですね…想像していなかった質問です。
正直に言うと…何とも言えません。

私がしていることは、セックスと言えるんでしょうか?
いえ…その、私には分からないんです。
どういう時に、それをしたいという気持ちになるのか。
なにせ毎日のことなので…。

確かに、元…カレとの時は、少し違った気持ちではありました。
でも、自分でもショックだったんですが…やっぱり男なんだな、同じ男の人なんだな、ってどこかで思っていたかもしれません。

気持ち良いとは思います。
それは否定できません。
それこそ最初は…痛いだけ、気持ち悪いだけ…だったけど。

どの男性に犯されていても、たまにですけど…何もかもを忘れている時がほんの一瞬だけあったりします。
その瞬間は、頭が真っ白になって、カラダがフワフワしている感覚になります。
…こんなこと言うのは恥ずかしいです。
でも、ずっとそんな気持ちで居られたら、辛いこともなくなるのになぁ…って思います。

でも、そうなったらそれはもう私では無いですよね。
だから、今のままでいいんです。

あ、でも勘違いしちゃダメですよ。
あくまでこれは私の話です。
女性は皆そうかというと、絶対にそんなことはないです。
むしろ稀…ですか。そっか…。
共感は期待できない、と…。

そっかやっぱり…私がおかしいのかな。
でもそれならその方がいいですよね。
私は嫌だと思う前に、こういうものだと思ってしまったから。

過去の自分に教えてあげたいです。
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