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セイドレイ【完結】
第36章 審判
そしてもう一人、今日の配信を見ていた者がいる。

そう、貴之だ。

貴之は亜美と別れてから今日まで、『セイドレイ』を一切見ていなかったのだが、千佳に対して酷いことをしてしまった自分への『慰め』のために、久々にアクセスしてしまったのだ。

しかし、貴之が知っている『aminogosyujinsama』は全て動画を非公開にしており、その代わりに『aminogosyujinsama_2』を名乗るものが現れていたことも、今日知った。

そしてそこで同時に、生配信があることを知ってしまったのだ。

貴之は自分の部屋で、22時の開始からそれを見ていた。

画面に映る元彼女が、次々と汚らしい男達に輪姦されて行く。

やはり、これが亜美の望んだことなのか。
やはり、これが亜美の幸せなのだろうか。

だとすれば、あの日公園で亜美に言われた事とも辻褄が合う。
これがまさに高崎亜美という少女の正体なのだ。

亜美は貴之より、この男達を選んだ。
貴之では、亜美を満たすことができなかった。
ただそれだけの話なのだ、と。

では貴之は、どんな気持ちで今日の配信を見ていたのだろうか。

画面の中で、男達が代わる代わる亜美を犯して行った。

貴之はそれを見ながら


自慰をした。


しかも一度では無い。
配信している間中、亜美が犯されている間中、何度も何度も、腫れ上がる程に自分の肉棒を扱きあげ、慰めた。

あれは確かに自分の彼女だったと思えば思う程に、言い表しようの無い興奮と、胸糞の悪さが交錯した。

そして何より、苦しかった。
真夏のアスファルトのように、貴之のカラダは芯から熱くなり、うまく放熱できないもどかしさをどうすることもできなかった。

それは配信が終わった今も、治まる気配は無かった。

貴之は一人ベッドの中で、自分の愚息を慰め続けていた。




「あっ…亜美っ……亜美っ……苦しいよぉ……会いたいよぉ…………助けてくれよ………あっ…亜美っ、亜美っ!あっ」


その名を呼ぶだけで果てることができた。
今日もう何度目か分からない射精。

直後に強烈に襲ってくる罪悪感と自己嫌悪。

そして虚無感。

ヒリヒリとした痛みを肉棒に感じながらも、貴之はその右手を止めることが出来ないでいた。


「亜美………助けて……………」

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