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セイドレイ【完結】
第37章 零落
「…どうしたお前達?珍しいものでも見たような顔をして…3人とも同じ顔になっているぞ?…ふっ、まぁ久々の再会だからねぇ。ところで、お前達誰も…『アレ』については気にならんのか?遠慮せず、何でも質問してくれていいんだぞ?」

新堂の言う『アレ』とは、腹の子のことだろう。
聞いたところで、その発覚の瞬間を生配信でまじまじと見せつけられたのだ。
いつまでもこんな茶番に付き合っている程、雅彦もお人好しでは無い。

「…悪い、新堂。亜美が戻って来たのは喜ばしい限りだ。酒井さん…あなたにも礼を言わせてもらう。どんな事情があったかは知らんし知りたくもないが、この約半年の間、亜美は何者かに拉致監禁され、そこで妊娠するようなことがあったと、私達は納得している。それ以上、特に説明を求めるつもりも無い。今日この後、亜美の状態についてはすぐに診察をする。ワシからは以上だ。他、特になければ今日はもう終わりにしたいのだが」

雅彦が少し強めの口調で、新堂と酒井にそう言い放つ。

「…おいおい、まぁ、そう焦るな雅彦。医者の性で今すぐ『アレ』を診察したいのは分かるが、久々に会ったんだ。酒井くんも居るのに帰ってくれは無いだろう?彼は言わば亜美の命の恩人なんだ。失礼とは思わんのかね?」

そう言って新堂が雅彦を煽る。
痺れを切らした雅彦が、テーブルを拳で叩き、威嚇する。

「…いい加減にしろ、新堂。…要求は聞き入れたはずだ。これでお前の望み通りになったんだ。もう十分だろう?せめて今日はそっとしてくれと言っているんだ…!」

そんな二人の会話を不審に思った健一が疑問を投げかける。

「親父……要求って何だ?新堂のおっさんの望み通りって……」

健一の問いかけに、雅彦は黙ったままだ。
すると、代わりに新堂が口を開いた。

「…健一よ、前置きしておくが、あまり雅彦を責めないでやってくれ…これはお前達の為でもあるんだ。…この病院と家はな、もう既にお前達の物では無い」

「なっ…?!」

新堂の口から、驚愕の事実が伝えられる。
途中まで、特に会話に関心を示していなかった慎二も、さすがに身を乗り出して驚いた。

「病院と…家が…俺達の物じゃないって…一体……どういうことだ?なぁ、親父?おい!!説明しろよっ!?何とか言えよ!??親父っ…!!」

健一が雅彦を問いただす。
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