この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第1章 悲劇のヒロイン

亜美にとって学校で過ごす時間は、まるで光の速さのように過ぎ去っていく。

放課後になれば、部活動に精を出す生徒、友だち同士で寄り道して帰る生徒など、高校生活をみなそれなりに謳歌しているが、亜美はそのどれでもなかった。


(だって…今日もまた……)


下校する亜美の足取りは、重い。

うつむき加減に歩いていた亜美がふと足を止め、虚ろな表情で見上げた先──。

そこには、周囲の景色の中でもひときわ目立つ「武田クリニック」の看板が見えていた。


(なんで私ばかり…こんな目に遭うの?)


もう何度、自問しただろうか。
亜美のその問いかけに答える者は、誰もいなかった。


歩みを進めるたびに、遠くに小さく見えていた看板が、徐々に近づき大きくなる。

このままどこかへ逃げてしまおうかと考えたこともあった。

しかし、高校一年生の彼女の「世界」は、あまりに狭かった。
家と学校を往復するだけの毎日。
最愛の両親も、もうこの世にいない。


(今から起こることは全部夢…そう、悪い夢なんだ)


そう自分に言い聞かせることが、亜美にできる精一杯の処世術だった。

/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ