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セイドレイ【完結】
第40章 蚊帳の外の景色
「(あ、あいつ…何やってるんだ……?)」

雅彦はその時、『何か見てはいけないものを見てしまった』感覚に襲われる。

ふと、監視録画モニターに目をやると、手動で録画が切られていた。
恐らく、新堂が地下室へ入る前に、録画モードをオフにしたのだろう。


つまり新堂は、このことを誰にも知られたくない、ということだ。


雅彦はその時、何故自分でも手が動いたのか分からなかったが、録画モードをオンにして、今目の前で起きていることを記録し始めた。

そして本能的に、この場に居合わせてしまったことを絶対に新堂には知られてはいけないと思ったその時。


マジックミラー越しに、新堂と目が合う。


「…!!」


雅彦は思わず、息を飲んだ。

当然マジックミラーなので、新堂からモニター室の中は見えるはずも無い。

新堂はたまたま、雅彦が居る方向へ視線を向けただけなのだ。

それでも、雅彦は一瞬身動きが取れなかった。

一刻も早くこの場から立ち去らなければ。

新堂がこの後地下室から出る際に、また録画をオンに切り替えるであろう。
このまま録画を続けてしまえば、ここに誰か居たことがバレてしまう。

雅彦は再び録画モードをオフにした。

時間にして3分ほどの『それ』は録画されたのだ。

後は新堂にそのことを悟られないように祈るだけ。


雅彦は、物音を立てないよう細心の注意を払いながら、モニター室を後にした。


寝室に戻ってからも、地下室で見た光景が頭から離れなかった。

今まで散々、雅彦自身も亜美を陵辱してきたし、他の男達に嬲られている亜美の姿を傍目に見て来た。
その中には、共犯者であった雅彦でさえ、惨たらしいと感じる場面も多からずあった。

しかし、さっき見てしまった光景は、そういった類とは異なる性質のものだ。

雅彦は考える。
このことを知る者は、他にも居るのだろうか。
このことが、今後何かに影響してくるのだろうか。

分からない。

ただひとつ言えることがあるとするならば、あれはーー、

今まで新堂が亜美に指一本触れていなかったその理由

なのかもしれない。


これまで人の弱みにつけ込み、意のままに人を操ってきた新堂。

そんな男の、唯一の弱みとなり得ることを見てしまったのかもしれないと、白みゆく朝の空に不穏な胸騒ぎを覚えたまま、雅彦は今日も白衣に袖を通した。
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