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セイドレイ【完結】
第41章 愚かなる兆し
本山が地下室を後にして程なく、もはや日課のようになった深夜の徘徊へ出かけた菅原と亜美。

そして地下室に誰もいなくなったのを見計らったかのように、隣のモニター室には一人の男の影があった。

雅彦である。

雅彦は、録画データの中から直近1ヶ月程の期間のもので、尚且つ午前から明け方の時間帯の映像を見返していた。

「…やはり」

その結果見えてきたものは、週に1~2回の頻度で、午前3時頃付近に不自然にカットされた部分があるということだった。

毎回、時間にして約30分程の映像が、何者かによって意図的に削除されている。
奇しくもそれは、前回この地下室で新堂の姿を偶然見てしまった時間帯と重なるうえ、その時も録画モードはオフにされていた。

このことから、新堂が夜中にこっそりここへ訪れていることはほぼ決定的と見てよいだろう。

最近、雅彦の前はおろか、病院や地下室にさえその姿を見せることが無くなっていた新堂。

しかし彼は、皆が寝静まった深夜帯を狙ってここへ訪れていたのだ。

いや、ここへ訪れていたというよりは、亜美に会いに来ていたと言うべきか。

菅原の言った通り、ここでの監視が本山に変わってからは、録画された映像をくまなくチェックする者もいなくなっていた。
以前のように慎二がここからデータを持ち出して行くことも無い。

恐らく新堂はそれを分かった上で、録画データを削除しているのだろう。
自身がここで『あること』をしている証拠を消すためにーー。

人の弱みにつけ込む術に長けた新堂であったが、そんな新堂がここまでして他人に知られたくないこととは一体何か。

転じてそれは、新堂の弱みになり得るはず。

しかし、どうやって。

仮に、雅彦がその事実を新堂に突きつけたところで、この状況がくつがえる程のこととも思えない。

下手に動けば、より新堂を逆撫でしてしまうことにもなりかねない。

雅彦は考える。
一人で行動するべきではない、と。

まずはこのことを、他の誰かにーー。
いや、何よりもまずは亜美に直接確認するべきでは。

幸い、今ここの監視は緩い。
新堂が深夜に訪れていても、菅原が亜美を毎夜外に連れ出していても、それに気づく者が居ないほどに。

うまくやれば大丈夫だ。

雅彦は一人、何度もそう自分に言い聞かせていたーー。
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