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セイドレイ【完結】
第7章 絶望的観測
この2ヶ月あまり、亜美が陵辱されなかった日は、1日たりともない。
まだ恋心さえ知らないというのに、あの一夜に無残にも散らされてしまった処女。
セックスという行為が、種の存続のため、そしてヒトが愛しあうための営みであるということすらも知らないまま、亜美は肉体的な刺激のみを陵辱によって植え付けられてしまった。
最初は苦痛だった。
もちろん、今でも苦痛であることには変わりない。
それでも、何度も犯されているうちに、行為自体には慣れてきてしまったきらいがある。
亜美の意思に関係なく、刺激に反応してしまうカラダ。
最近では、認めたくはないものの "感じる" という場面も増えてきてしまっていた。
それは断じて亜美が望んだものではないが、快感という魔物が徐々に亜美を蝕んでいることはたしかだった。
亜美はこのとき、新たな恐怖を覚えていた。
それは、男たちへの恐怖ではない。
いつかこんな行為でさえ。
尻の穴を犯されるなどという、こんな狂った行為でさえも──。
いずれは苦痛を感じなくなっていってしまうのではないか、という、自分自身への恐怖だった。
果たして、人はどこまで堕ちることができるのであろうか。
このような状況にあってもなお、簡単には崩壊してくれない亜美の中の自我──。
そんな自我が、これから亜美をさらに苦しめることになるのであった。