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セイドレイ【完結】
第43章 箱庭

貴之が庭へ戻ると、既に親方と村尾は何事も無かったかのように作業を始めていた。
「す、すいません…遅くなっちゃって……」
何となく気まずい雰囲気が流れるも、貴之は親方に挨拶をして、すぐに仕事を再開しようとする。
「…全然、思ったより早かったじゃねえか。もしかしてお前…あれか?早漏か?」
親方がニヤりと笑みを浮かべて貴之にそう言う。
「はは……まぁ、そんなところっすかね……」
「…しっかし、あれには驚いたぜ。もう何十年も庭師やってっけど、あんなのは初めてだ…。どうだった?ありゃたまらんだろう?」
「………そうすね」
「…村尾の奴なんか、口じゃなくておマンマンにハメやがったんだとよ。しかも生で中出しだと…孕んじまってるから関係ねぇとかでさ。なんだありゃ女神かなんかか?あー畜生、俺ももったいねぇことしたな…あんまりにも尺八がうまい嬢ちゃんだったから、あっという間にイッちまってよ…」
「………そうすか」
「……どうした?賢者モードってやつか?…しっかし、あんなお嬢ちゃんがどうして武田さんとこに…村尾とも言ってたんだけどよ、確かこの家2人息子が居てな?どっちかの嫁さんなんじゃねぇか、つって…種付けまでされちまってんだ、それ以外に無ぇよなぁ。それか男ヤモメの武田さんの愛人か…にしたって若すぎんだろ…あんな幼妻を淋しくさせてるなんて、誰か知らんが旦那は罪な男だよ、全く…まぁ、そのおかげで俺たちゃ良い思いできたってことだけどよ」
親方は、あのトイレに居た女がまさか貴之のかつての恋人であるとは夢にも思わず、小声ではあるがやや興奮気味に話してくる。
貴之は不思議だった。
つい先程まで、いつものムラつきが最高潮に達していたというのに、今はどこか落ち着いた気分だ。
貴之はふと、屋敷を見上げた。
亜美は確かにここに居る。
今は、深く考えるべきでは無い、そう思った。
少なくとも、亜美の全てが詰まっているという、その何かを見るまではーー。
「(こうしてまた…会えたんだ。あすかさんの言ってたことは正しかった。だからきっと、また会える…)」
貴之は、荒れ果てていた庭が少しずつ本来の景色を取り戻して行くのを見て、それを自分に重ねていた。
止まっていた時間が、ようやく動き始めたのだった。
「す、すいません…遅くなっちゃって……」
何となく気まずい雰囲気が流れるも、貴之は親方に挨拶をして、すぐに仕事を再開しようとする。
「…全然、思ったより早かったじゃねえか。もしかしてお前…あれか?早漏か?」
親方がニヤりと笑みを浮かべて貴之にそう言う。
「はは……まぁ、そんなところっすかね……」
「…しっかし、あれには驚いたぜ。もう何十年も庭師やってっけど、あんなのは初めてだ…。どうだった?ありゃたまらんだろう?」
「………そうすね」
「…村尾の奴なんか、口じゃなくておマンマンにハメやがったんだとよ。しかも生で中出しだと…孕んじまってるから関係ねぇとかでさ。なんだありゃ女神かなんかか?あー畜生、俺ももったいねぇことしたな…あんまりにも尺八がうまい嬢ちゃんだったから、あっという間にイッちまってよ…」
「………そうすか」
「……どうした?賢者モードってやつか?…しっかし、あんなお嬢ちゃんがどうして武田さんとこに…村尾とも言ってたんだけどよ、確かこの家2人息子が居てな?どっちかの嫁さんなんじゃねぇか、つって…種付けまでされちまってんだ、それ以外に無ぇよなぁ。それか男ヤモメの武田さんの愛人か…にしたって若すぎんだろ…あんな幼妻を淋しくさせてるなんて、誰か知らんが旦那は罪な男だよ、全く…まぁ、そのおかげで俺たちゃ良い思いできたってことだけどよ」
親方は、あのトイレに居た女がまさか貴之のかつての恋人であるとは夢にも思わず、小声ではあるがやや興奮気味に話してくる。
貴之は不思議だった。
つい先程まで、いつものムラつきが最高潮に達していたというのに、今はどこか落ち着いた気分だ。
貴之はふと、屋敷を見上げた。
亜美は確かにここに居る。
今は、深く考えるべきでは無い、そう思った。
少なくとも、亜美の全てが詰まっているという、その何かを見るまではーー。
「(こうしてまた…会えたんだ。あすかさんの言ってたことは正しかった。だからきっと、また会える…)」
貴之は、荒れ果てていた庭が少しずつ本来の景色を取り戻して行くのを見て、それを自分に重ねていた。
止まっていた時間が、ようやく動き始めたのだった。

