この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第45章 男達の晩夏

「...ほう。つまり亜美は...地下室の監視カメラの映像を抜き取って、スマホに保存していた可能性があると言うことか...だとするとその目的はやはり...」
雅彦は考え込む。
自分の知らないところで、亜美がそんな行動を取っていたという事実。
ふと、雅彦の子を孕みたい、と言った時の亜美の顔が思い浮かぶ。
家族になりたいと、確かに亜美はそう言ったのだ。
しかしその裏では、自身を陵辱した者達の証拠を集めていたということになる。
どこかの時点で気が変わったのか、それとも最初からそのつもりだったのか。
どうであれ、今の亜美が一番に望んでいることは、子供を無事に産むということだ。
それだけは、何としてでも叶えてやらなければと、雅彦は思っていた。
「...実はこの間、高崎に直接聞いてみたんです。スマホで何をしようとしてたんだ、って。そしたら『もういい』って...今はどうするつもりもないようなことを言ってましたが...」
本山がそう付け加えると、雅彦は何かに納得したのか、無言で頷いた。
「...実はワシからも...君達に見て欲しいものがあってだな。今日の本題とも言えるのだが...」
雅彦はそう言ってスマホを取り出すと、とある動画を再生して4人に見せた。
「こっ、これは.....」
一同はその映像を見て、妙な感覚を抱く。
それは衝撃や驚愕、といった感覚とはまた似て非なるものだ。
「...あぁ。ここに映っているのは新堂だ。偶然見かけたんだが、深夜に度々地下室に訪れているようでな。ワシも最初は驚いたが...正直、この映像に何か決定的なものがあるわけでは無い。しかし、あいつを...新堂を、少しばかり脅す材料にはならぬものかと考えてな」
「...新堂さんを...脅す?」
「...そうだ。プライドだけは山のように高いあいつの事。こんなものが出回るとなれば穏やかでは無いだろう。その証拠に、あいつは監視カメラに映る自分の姿をことごとく削除している。あいつにとってこれは、誰にも知られたく無いことなのだろう...」
「...出回る、というのは...これをどこかに公開する、ということですか?まさか、警察に届け出るとか...?」
田中が雅彦にそう問いかける。
雅彦は考え込む。
自分の知らないところで、亜美がそんな行動を取っていたという事実。
ふと、雅彦の子を孕みたい、と言った時の亜美の顔が思い浮かぶ。
家族になりたいと、確かに亜美はそう言ったのだ。
しかしその裏では、自身を陵辱した者達の証拠を集めていたということになる。
どこかの時点で気が変わったのか、それとも最初からそのつもりだったのか。
どうであれ、今の亜美が一番に望んでいることは、子供を無事に産むということだ。
それだけは、何としてでも叶えてやらなければと、雅彦は思っていた。
「...実はこの間、高崎に直接聞いてみたんです。スマホで何をしようとしてたんだ、って。そしたら『もういい』って...今はどうするつもりもないようなことを言ってましたが...」
本山がそう付け加えると、雅彦は何かに納得したのか、無言で頷いた。
「...実はワシからも...君達に見て欲しいものがあってだな。今日の本題とも言えるのだが...」
雅彦はそう言ってスマホを取り出すと、とある動画を再生して4人に見せた。
「こっ、これは.....」
一同はその映像を見て、妙な感覚を抱く。
それは衝撃や驚愕、といった感覚とはまた似て非なるものだ。
「...あぁ。ここに映っているのは新堂だ。偶然見かけたんだが、深夜に度々地下室に訪れているようでな。ワシも最初は驚いたが...正直、この映像に何か決定的なものがあるわけでは無い。しかし、あいつを...新堂を、少しばかり脅す材料にはならぬものかと考えてな」
「...新堂さんを...脅す?」
「...そうだ。プライドだけは山のように高いあいつの事。こんなものが出回るとなれば穏やかでは無いだろう。その証拠に、あいつは監視カメラに映る自分の姿をことごとく削除している。あいつにとってこれは、誰にも知られたく無いことなのだろう...」
「...出回る、というのは...これをどこかに公開する、ということですか?まさか、警察に届け出るとか...?」
田中が雅彦にそう問いかける。

