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セイドレイ【完結】
第45章 男達の晩夏
時を同じくして、とある喫茶店。

「...今日は忙しいところ、無理を言って集まってもらってすまない」

そう言ってその場を取り仕切る雅彦。

「...ていうか久しぶりだな、親父」

健一がそう返すと、慎二がそれに続く。

「...俺は無職だから暇人だけどなー。てか、親父ちょっとやつれたんじゃない?」

久々に親子で顔を合わせた武田家の3人。
しかし、そこに同席していたのは彼らだけでは無かった。

「...どうも、田中です。お父様はお初にお目に掛かります...」

「...本山です。知っての通り、送迎と清掃を担当しています...こうして改まって顔を合わすのも、なんだか可笑しな感じがしますね...」

大柄な男達5人が、喫茶店のテーブルを窮屈そうに囲んでいる。

「...親父から連絡があった時、何となくの話の内容から、田中さんにも同席してもらった方がいいと思ってさ...そしたら...それなら本山先生も、ってなってさ...」

どうやら、本山と田中がここに居るのは慎二の計らいのようだった。

「...構わん。皆、新堂の手の平で転がされていた者同士だ。それに、人数が多いに越したことは無い。お二人とも、どうか肩の力を抜いてくれ」

雅彦が本山と田中にそう言うと、二人は少しホッとした様子だった。

まさか、このメンバーが一同に集結する日が来るなどとは、誰も想像していなかったであろう。

それぞれ、高崎亜美という一人の少女の運命を翻弄し、また翻弄させられた5人の男達。

「...さっそくだが、どうやらワシの知らない情報があるらしいな。亜美にまつわることなら、どんなことでもいい。聞かせてくれ...」

雅彦がそう言うと、他の4人はお互いに目配せをし合う。

「...す、すいません。ではまず私から...」

そう言って遠慮がちに手を挙げたのは、本山だった。

本山は、亜美に頼まれてスマホを持たせていたこと、その経緯などについて話し始める。

この中では唯一、現在も亜美とセックスすることが許されている本山は余計に気まずかった。

特に雅彦の視線が刺さる。

本山は、現在そのスマホの行方が分からなくなっていること、そしてスマホを使って亜美が何らかのアクションを起こそうとしていたのではないかということを説明した。

更にそこへ、慎二と田中が補足を入れる。
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