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セイドレイ【完結】
第46章 日記
その後、貴之を家まで送り届けた雅彦は、亜美のスマホを胸のポケットに仕舞い、自宅へと戻った。

貴之の言っていたことが、未だに信じられない。

日記。
そこには何が書かれているのか。

果たしてそれは雅彦が読んだとしても、貴之と同じように感じるだろうか。

そもそも、何故亜美は日記をつけていたのだろう。

雅彦や新堂、その他会員達の悪事を晒すために手に入れたスマホだったのでは無いのかーー。


雅彦は急に亜美が恋しくなる。
今から地下室へ出向いてしまおうか、との衝動に駆られるが、それをグッと堪えた。

今はまず、このスマホの中に居る亜美と向き合わなければならない。
そして、何としてでも亜美を奪還しなければならないのだ。

それぞれに与えた役割の進捗も確認しなければならないし、作戦も練らなければならない。

失敗は許されないのだ。

雅彦は自宅へ入る前に、病院へ立ち寄る。
今日は日曜日で一般診療は休みだが、お産を控えている患者が数人居るからだ。

ふと、病院の駐車場に目をやると、菅原の車が停まっている。

「(おかしいな...)」

今日は雅彦一人で大丈夫だからと、非番にさせていたはず。
亜美のところに来ているのだろうか。

菅原の存在も、雅彦の計画にとっては脅威だ。
何をしでかすか分からない。

やはり一刻を争うこの事態。

まずは新堂のスケジュールを確認させている田中からの連絡を...。

雅彦がそう思っていると、スマホにメールが届く。

「...健一...か」


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お疲れ。
城島不動産の件、1個怪しい団体があった。

直接会って話したい
今日なら1日暇してるから
親父の都合のいい時に会えないか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


早速、健一からの報告がありそうだ。
交渉のカードは多ければ多い方がいい。

雅彦はすぐに健一に返信をすると、白衣に袖を通し、分娩室へと入って行ったーー。

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