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セイドレイ【完結】
第47章 夜明けまえ

「もうこんな時間か...」
雅彦は時計を見ると、既に明け方の4時を回っていた。
亜美のスマホを見るのに没頭してしまったようだ。
日記とは別に、会員のリストがメモ帳にまとめられていた。
亜美が地下室で客の相手を始めてから、去年の二学期終業式の前日までに亜美を抱いた数々の男達のリストだ。
新しい会員が来ると、新堂は亜美に必ずそのプロフィールを見せていた。
記憶力の良い亜美は、そのプロフィールにあった情報をリストとしてまとめていたのだろう。
雅彦としては、新堂に脅しをかける上でそのリストは非常に有益な情報となる。
全ての会員の情報を網羅できたわけでは無いが、そのリストによって約半数が揃っただろう。
年が明け、今年の1月から、亜美がまた地下室に戻って来た6月までの約半年間の間に新たに増えた会員については確認しようも無い。
しかし、会員のリピート率を考えた時、あとはその後から現在までの会員を洗い出せば、ほぼ全ての会員の情報が出揃うはず。
そしてもう一点。
亜美はあの『セイドレイ』に、『自分のアカウント』を作成していた。
亜美のアカウントでログインすると、驚くことにそこには数々の動画が『非公開設定』になっていた。
その動画とは、地下室の監視モニターから抜き出されたもの。
そう。
亜美は会員達によって陵辱されたその記録を、『セイドレイ』にいつでも公開できるように準備していた。
大容量のSDカードを必要としていたのは、このためだったのだ。
動画のタイトルには全て、会員の実名が明記され、概要欄にはプロフィールが記載されていた。
つまり、今まさに雅彦が新堂に脅しをかけるためにしようとしていたことを、亜美はもうずっと前に実行しようとしていたのだ。
しかし不可解なことに、その数々の動画の中に、雅彦をはじめとする武田家の男達3人のものは存在していない。
それが何を意味するのか。
そして、何故ここまで証拠を集めておきながら、亜美はそれを公開することを躊躇していたのか。
「これがお前の...望んでいたことなのか...?」
雅彦はひとり、スマホの画面に向かってそう呟いた。
亜美の真意は分からない。
しかし、これが亜美のしようとしていたことならばーー。
「亜美...もう少しだけ...待っていてくれ」
雅彦は、新堂と徹底抗戦する決意を、その胸に刻んだのだった。
雅彦は時計を見ると、既に明け方の4時を回っていた。
亜美のスマホを見るのに没頭してしまったようだ。
日記とは別に、会員のリストがメモ帳にまとめられていた。
亜美が地下室で客の相手を始めてから、去年の二学期終業式の前日までに亜美を抱いた数々の男達のリストだ。
新しい会員が来ると、新堂は亜美に必ずそのプロフィールを見せていた。
記憶力の良い亜美は、そのプロフィールにあった情報をリストとしてまとめていたのだろう。
雅彦としては、新堂に脅しをかける上でそのリストは非常に有益な情報となる。
全ての会員の情報を網羅できたわけでは無いが、そのリストによって約半数が揃っただろう。
年が明け、今年の1月から、亜美がまた地下室に戻って来た6月までの約半年間の間に新たに増えた会員については確認しようも無い。
しかし、会員のリピート率を考えた時、あとはその後から現在までの会員を洗い出せば、ほぼ全ての会員の情報が出揃うはず。
そしてもう一点。
亜美はあの『セイドレイ』に、『自分のアカウント』を作成していた。
亜美のアカウントでログインすると、驚くことにそこには数々の動画が『非公開設定』になっていた。
その動画とは、地下室の監視モニターから抜き出されたもの。
そう。
亜美は会員達によって陵辱されたその記録を、『セイドレイ』にいつでも公開できるように準備していた。
大容量のSDカードを必要としていたのは、このためだったのだ。
動画のタイトルには全て、会員の実名が明記され、概要欄にはプロフィールが記載されていた。
つまり、今まさに雅彦が新堂に脅しをかけるためにしようとしていたことを、亜美はもうずっと前に実行しようとしていたのだ。
しかし不可解なことに、その数々の動画の中に、雅彦をはじめとする武田家の男達3人のものは存在していない。
それが何を意味するのか。
そして、何故ここまで証拠を集めておきながら、亜美はそれを公開することを躊躇していたのか。
「これがお前の...望んでいたことなのか...?」
雅彦はひとり、スマホの画面に向かってそう呟いた。
亜美の真意は分からない。
しかし、これが亜美のしようとしていたことならばーー。
「亜美...もう少しだけ...待っていてくれ」
雅彦は、新堂と徹底抗戦する決意を、その胸に刻んだのだった。

