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セイドレイ【完結】
第48章 罪と罰

「...す、菅原くん.....一体どうしたんだ?その顔...」
明くる月曜の朝。
いつものように病院に出勤してきた菅原の顔を見て、雅彦は驚く。
「あー...これですか?ちょっと道でヤンキーに絡まれちゃいまして。この辺り、意外と物騒なんですね」
「ヤンキー...だと...?」
そんな話、信じろという方が無理がある、と雅彦は思う。
これまで、この病院の看護師や患者を魅了してきたその甘いマスクが、見るも無残に傷だらけなのだ。
見ている方が痛々しくなるその顔は絆創膏等で処置はされているものの、片目の瞼は腫れ上がり、いくつもの青アザが刻まれている。
「な、何があったかは知らんが...今日ならワシ一人でも大丈夫だ。アレなら病院に行った方が...」
「...へぇ。院長にそんな優しさがあったなんて。でも心配ご無用です。こんな傷くらい...」
「ま、まさかとは思うが...新堂と何か...あったのか?夜中に亜美を連れ出していることがバレた、とか...」
「あはは。そんなことくらいじゃあ、ここまでのことはされませんよ。あ、言っちゃった...まぁいいや。そうです、新堂さんと何かあったんですよ、僕」
菅原がまさか、亜美を逃がそうとして制裁を受けたなどと雅彦は想像すらできない。
「...院長。院長は亜美のことを...どう思ってるんです?」
「ど...どうって...それはどういう意味だ?」
「亜美を愛してるのか、って聞いてるんですよ」
菅原の唐突な質問。
元から突拍子も無い男ではあったが、その傷だらけの横顔からはいつもの嫌味っぽさが感じられない。
「.....分からん。それに...ワシに愛されたとて、亜美を余計に不幸にするだけだ...」
「はいはい。今の、枯れた熟年男が哀愁漂わせて自分に酔ってるみたいで気色悪いですよ」
「なっ...!?.....まぁいい。否定はせん。何とでも言ってくれ...」
雅彦がそう言って俯くのを見た菅原は、クスッと笑ってこう言った。
「あーあ。僕、こんなキャラじゃないんだけどな...。ま、いっか。院長、そんな弱気なこと言ってちゃダメですよ?僕がこれからせっかく良いこと教えてあげようと思ってたのに...」
明くる月曜の朝。
いつものように病院に出勤してきた菅原の顔を見て、雅彦は驚く。
「あー...これですか?ちょっと道でヤンキーに絡まれちゃいまして。この辺り、意外と物騒なんですね」
「ヤンキー...だと...?」
そんな話、信じろという方が無理がある、と雅彦は思う。
これまで、この病院の看護師や患者を魅了してきたその甘いマスクが、見るも無残に傷だらけなのだ。
見ている方が痛々しくなるその顔は絆創膏等で処置はされているものの、片目の瞼は腫れ上がり、いくつもの青アザが刻まれている。
「な、何があったかは知らんが...今日ならワシ一人でも大丈夫だ。アレなら病院に行った方が...」
「...へぇ。院長にそんな優しさがあったなんて。でも心配ご無用です。こんな傷くらい...」
「ま、まさかとは思うが...新堂と何か...あったのか?夜中に亜美を連れ出していることがバレた、とか...」
「あはは。そんなことくらいじゃあ、ここまでのことはされませんよ。あ、言っちゃった...まぁいいや。そうです、新堂さんと何かあったんですよ、僕」
菅原がまさか、亜美を逃がそうとして制裁を受けたなどと雅彦は想像すらできない。
「...院長。院長は亜美のことを...どう思ってるんです?」
「ど...どうって...それはどういう意味だ?」
「亜美を愛してるのか、って聞いてるんですよ」
菅原の唐突な質問。
元から突拍子も無い男ではあったが、その傷だらけの横顔からはいつもの嫌味っぽさが感じられない。
「.....分からん。それに...ワシに愛されたとて、亜美を余計に不幸にするだけだ...」
「はいはい。今の、枯れた熟年男が哀愁漂わせて自分に酔ってるみたいで気色悪いですよ」
「なっ...!?.....まぁいい。否定はせん。何とでも言ってくれ...」
雅彦がそう言って俯くのを見た菅原は、クスッと笑ってこう言った。
「あーあ。僕、こんなキャラじゃないんだけどな...。ま、いっか。院長、そんな弱気なこと言ってちゃダメですよ?僕がこれからせっかく良いこと教えてあげようと思ってたのに...」

