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セイドレイ【完結】
第48章 罪と罰

一方その頃健一は、婚約者の律子とイタリアンレストランに居た。
妙に格式の高い飲食店ばかりを好む律子だったが、今日の店は比較的カジュアルな雰囲気。
健一の口に合うメニューも豊富で、パスタやピザなどの好物を貪っていた。
そんな健一をじっと見つめる律子の視線に気づく。
「...ん?どうかした?俺の顔、なんか付いてる...?」
「...ふふ、ううん。なんだか子供みたい、と思って...」
いつもなら、その声色には批難が込められている律子だったが、今日は違う。
うっすらと微笑みを浮かべ、まるで愛おしいものを見るかのような視線。
「ご、ごめんっ...ちょっとガッつき過ぎだよね?腹減ってたから、つい...」
「...いいの。私の方こそ、今までごめんなさい...」
「...え?何の話...?」
突然、謝罪を口にした律子に健一は戸惑う。
そもそも、さっきからいつもと様子が違う。
「私...あなたのこと、見直したわ。私と結婚するってことは、私の家と、私の家族と結婚するってことなの。失礼だけど、今まではあなたにその自覚があるとは思えなかった。でもそれは私の勘違いだったわ。...最近のあなたは自ら積極的に、我が城島グループの事業について興味を持ってくれている。そのことが、私にとってどれだけ嬉しかったか。これまで冷たい態度やキツい言い方をしてしまってごめんなさい。あなたのことを信じられなくて、つい...私もイライラしてしまったの。許して...」
「律子...」
むしろ勘違いをしているのは今だ、と健一は思う。
健一が城島グループの事業に興味を抱いたのは、あくまで地下室ビジネスの隠れ蓑を特定するため。
それが、律子にとっては健一に自覚が芽生えたと感じたのだろう。
「...でね?あなたさえよければ...すぐそこのホテルに部屋を取ってあるの。最上階のスイートよ。前に行ったラブホテルは...私、ああいう場所に慣れてなくて落ち着かなくて。だから今夜はゆっくり...もう一度あの続きをしましょう?私達はこれから、夫婦になるんだから...」
全く別人のようにしおらしく振る舞う律子。
自身の婚約者が性犯罪に手を染めていたとは知らずに、夫婦として共に歩んで行く覚悟をしてしまったのだ。
「(ちくしょう...なんでこんな時に.....)」
妙に格式の高い飲食店ばかりを好む律子だったが、今日の店は比較的カジュアルな雰囲気。
健一の口に合うメニューも豊富で、パスタやピザなどの好物を貪っていた。
そんな健一をじっと見つめる律子の視線に気づく。
「...ん?どうかした?俺の顔、なんか付いてる...?」
「...ふふ、ううん。なんだか子供みたい、と思って...」
いつもなら、その声色には批難が込められている律子だったが、今日は違う。
うっすらと微笑みを浮かべ、まるで愛おしいものを見るかのような視線。
「ご、ごめんっ...ちょっとガッつき過ぎだよね?腹減ってたから、つい...」
「...いいの。私の方こそ、今までごめんなさい...」
「...え?何の話...?」
突然、謝罪を口にした律子に健一は戸惑う。
そもそも、さっきからいつもと様子が違う。
「私...あなたのこと、見直したわ。私と結婚するってことは、私の家と、私の家族と結婚するってことなの。失礼だけど、今まではあなたにその自覚があるとは思えなかった。でもそれは私の勘違いだったわ。...最近のあなたは自ら積極的に、我が城島グループの事業について興味を持ってくれている。そのことが、私にとってどれだけ嬉しかったか。これまで冷たい態度やキツい言い方をしてしまってごめんなさい。あなたのことを信じられなくて、つい...私もイライラしてしまったの。許して...」
「律子...」
むしろ勘違いをしているのは今だ、と健一は思う。
健一が城島グループの事業に興味を抱いたのは、あくまで地下室ビジネスの隠れ蓑を特定するため。
それが、律子にとっては健一に自覚が芽生えたと感じたのだろう。
「...でね?あなたさえよければ...すぐそこのホテルに部屋を取ってあるの。最上階のスイートよ。前に行ったラブホテルは...私、ああいう場所に慣れてなくて落ち着かなくて。だから今夜はゆっくり...もう一度あの続きをしましょう?私達はこれから、夫婦になるんだから...」
全く別人のようにしおらしく振る舞う律子。
自身の婚約者が性犯罪に手を染めていたとは知らずに、夫婦として共に歩んで行く覚悟をしてしまったのだ。
「(ちくしょう...なんでこんな時に.....)」

