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セイドレイ【完結】
第48章 罪と罰
そのころ田中のアパートでは、慎二がパソコンの前に座っていた。

本山から監視モニタの録画データが届き次第すぐ作業に取り掛れるよう、久々に『aminogosyujinsama』のアカウントにログインする。

雅彦とも話し合った結果、仮に動画を公開する事態になった場合は『aminogosyujinsama』のアカウントを利用するのが良いだろう、という結論に至った。

理由としては、フォロワー数が多いため拡散力が強いということが挙げられる。

これまで『セイドレイ』にて数々の記録を打ち出した伝説のアカウント。
途中から偽物に取って代わられ、このままその役目を終えようとしていたが、もう一度日の目を浴びる時が来るかもしれないのだ。

「これがご主人様としての...最後の仕事になるかも..」

慎二はそう呟きながら、まず手始めに雅彦から受け取った『新堂の動画』の編集を始めた。
とは言え、他の会員達のものと違ってそれは数分程度。
できるだけ、被写体となる新堂の顔が鮮明に映るよう、拡大や色調を変更して行く。

次に、新堂が理事長を務める光明学園のホームページから、新堂の経歴や顔写真をコピー。
それらの情報を動画内に埋め込み、ここに映る男が新堂であることを観るものに示唆する。

これらの作業を会員全員分...となるとさすがに骨の折れる作業ではあるのだが、あくまでこれは新堂に脅しをかける目的で作成するもの。
他の会員達については、順次作業を進めて行けば良い。

その時、慎二のスマホの着信音が鳴る。

「誰だ...?はいもしもし武田で.....あ!お世話になります。はい、はい...え?ほっ...本当ですかっ!?」

慎二は慌ててメモを取り、電話を切った。

「マジかよ...嘘だろ?」

その電話の主は、先日採用面接を受けた企業からだった。
面接の合否を伝える連絡だったが、なんと合格していたのである。

これまで何社も受け、全て不採用だった慎二にとっては、引きこもり生活を脱するまたと無いチャンスを掴んだのだったが...。

「ちくしょう!なんでこんな時にっ...!」
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