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セイドレイ【完結】
第49章 業火
「...フッ。揃いも揃って愚かな男達よ。まぁ、そこで指でも咥えて見ているんだなぁ」

新堂の声が地下室に響き渡る。

雅彦らがファミリーレストランで打ち合わせをした日から4日経ったこの日。

地下室は久々に大勢の男達で埋め尽くされていた。
この日、都合をつけることが出来た総勢17名の会員達が、早くも我先にと亜美のカラダに群がっている。
遅れて来る者も数名居るようだが、既に地下室は満杯に近く、空調では冷却が間に合わない程の熱気に包まれていた。

更にそこへ、複数の男達から容赦ない陵辱を受ける亜美を、ただじっと見つめることしか出来ない5人の男達。

雅彦、健一、慎二の親子3人に、本山と田中。

彼らは今日、新堂に呼ばれてこの地下室へ来ている。


『拒否したら亜美がどうなっても知らんぞ』


新堂はそんな脅し文句で、会員がひしめき合うこの地下室に5人を呼び寄せたのだった。

地下室へ来るなり、5人は酒井に捕えられ、胴体と足首を縄で縛られた。
そして、並んで床に正座するように命じられたのだ。

会員達はまるで雅彦らにそれを見せつけるかのように、いつもに増して亜美を手荒に扱っていた。

もう何度も目にして来た光景。
しかも、過去には自分達も同じことを亜美にして来た。

今更、目を背けたいなどと言うのはあまりに都合が良いだろう。

たった今目の前で起こっていることは、自分達が犯した過ちの成れの果てという現実に他無いからだ。

会員達は皆、今日どうしてここに集められたかを知っている。

このビジネスを根底から脅かす『反逆者』が現れたと、新堂から聞かされていた。

そんな5名の反逆者達に制裁を加えるーー。

それが、あの生配信以来に企画された、今宵のイベントだったのだ。

正座をする5人の後方には、竹刀を持った酒井が待機している。

体勢を崩そうものなら、容赦ない太刀が5人へ振るわれる。

ひときわ太っている慎二などは正座の姿勢を満足に保つことすらできず、既に酒井の振り下ろした太刀で肩の皮がめくれ、じんわりと血が滲み始めていた。

今夜は眠ることすら許されない。

暴力に支配されたこの空間で、新堂は一体、5人にどんな制裁を課すつもりなのであろうか。
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