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セイドレイ【完結】
第49章 業火

「...よしっ!なんとか間に合った..」
亜美を抱えた雅彦が、ようやく屋敷の外に出る。
「...親父っ!それから亜美もっ...!2人とも無事かっ!?」
健一が気づいて声を掛けて来る。
「ああ...なんとかな.....し、しかしっ...病院には患者がっ...!!」
「...とりあえず消防は呼んだ...!今向かってるから多分もうすぐ到着すると思う。患者さん達は当直の看護師達が全員避難誘導してくれたみたいだから、多分大丈夫だ...」
「そ、そうか.....なら最悪の事態はまぬがれそうか...」
「ああ。搬送先の病院も待機してくれてるから。じきに救急車も来ると思う...」
患者の無事を確認し、ひとまず胸を撫で下ろした雅彦がふと門の先に目をやると、何やら人だかりができている。
裸のまま逃げ出し群れなす会員達と、見慣れない男達が数人。
そしてーー。
「...あれ?おっさん...!それに亜美もっ...!」
人だかりの中から、1人の少年が雅彦と亜美の元へ駆け寄って来る。
貴之だった。
「...ど、どうして君がここに!?」
「いや...実はおっさんに言われたように、俺今日警察に行ったんだ。かなり時間はかかったけど、ようやく捜査官の人が動いてくれて...そんでここへ来てみたら、いきなり火事になってるからびっくりしてたとこで.....」
「...そうか。ではあそこに居るのは刑事なのか。しっかりやってくれたんだな...。礼を言う。しかし.....」
新堂がまだ中に、と言おうとしたその時。
庭の裏から現れた新堂と酒井が、雅彦の前を横切って行く。
「...なっ...あいつら...そうか!もうひとつの出口からっ...!」
新堂と酒井は咳き込みながら、辺りが騒然としていることに戸惑っている様子だった。
するとそんな2人の元へ、刑事が近寄って行く。
「失礼。あなたが新堂義之さんと...酒井学さんですね。少しお伺いしたいことがあるので、署までご同行願えますでしょうか?」
淡々とした口調で刑事が言うと、新堂は雅彦の方を睨みつけ、こう言った。
「...はははははは!雅彦...これがお前の望みか!?こんなものがお前のっ...全く、どこまでも馬鹿な男だ!!今に思い知るがいいっ...自分の愚かさをなぁ...!?ははっ...はははははは...」
亜美を抱えた雅彦が、ようやく屋敷の外に出る。
「...親父っ!それから亜美もっ...!2人とも無事かっ!?」
健一が気づいて声を掛けて来る。
「ああ...なんとかな.....し、しかしっ...病院には患者がっ...!!」
「...とりあえず消防は呼んだ...!今向かってるから多分もうすぐ到着すると思う。患者さん達は当直の看護師達が全員避難誘導してくれたみたいだから、多分大丈夫だ...」
「そ、そうか.....なら最悪の事態はまぬがれそうか...」
「ああ。搬送先の病院も待機してくれてるから。じきに救急車も来ると思う...」
患者の無事を確認し、ひとまず胸を撫で下ろした雅彦がふと門の先に目をやると、何やら人だかりができている。
裸のまま逃げ出し群れなす会員達と、見慣れない男達が数人。
そしてーー。
「...あれ?おっさん...!それに亜美もっ...!」
人だかりの中から、1人の少年が雅彦と亜美の元へ駆け寄って来る。
貴之だった。
「...ど、どうして君がここに!?」
「いや...実はおっさんに言われたように、俺今日警察に行ったんだ。かなり時間はかかったけど、ようやく捜査官の人が動いてくれて...そんでここへ来てみたら、いきなり火事になってるからびっくりしてたとこで.....」
「...そうか。ではあそこに居るのは刑事なのか。しっかりやってくれたんだな...。礼を言う。しかし.....」
新堂がまだ中に、と言おうとしたその時。
庭の裏から現れた新堂と酒井が、雅彦の前を横切って行く。
「...なっ...あいつら...そうか!もうひとつの出口からっ...!」
新堂と酒井は咳き込みながら、辺りが騒然としていることに戸惑っている様子だった。
するとそんな2人の元へ、刑事が近寄って行く。
「失礼。あなたが新堂義之さんと...酒井学さんですね。少しお伺いしたいことがあるので、署までご同行願えますでしょうか?」
淡々とした口調で刑事が言うと、新堂は雅彦の方を睨みつけ、こう言った。
「...はははははは!雅彦...これがお前の望みか!?こんなものがお前のっ...全く、どこまでも馬鹿な男だ!!今に思い知るがいいっ...自分の愚かさをなぁ...!?ははっ...はははははは...」

