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セイドレイ【完結】
第49章 業火

「ハァッ...ハァッ.....亜美、大丈夫か...?すまんな、もう少しだけワシに付き合ってくれっ...」
雅彦は寝室に入ると、書斎として利用していた机の引き出しを開け、その中から『封の切られた一通の封筒』を取り出す。
この封筒の中身を、以前から度々眺めていた雅彦。
亜美にそれを見つかりそうになると、咄嗟に引き出しの奥に仕舞い込んで隠していた、あの封筒だ。
雅彦はその封筒を握り締め、外へと脱出した。
一方、燃え盛る炎に包まれた地下室ではーー。
「...あーあー。だから僕...こんなキャラじゃ無いって言ったのに...」
菅原はひとり床に寝転び、そんなことをボヤく。
「最後にいい人やろうとしたけど...やっぱりダメだったみたい。罰って当たるんだなぁ...。まさかあんなとこに脱出口があるなんて...ははっ...笑っちゃうよね.....カッコ悪いったらありゃしないよ...」
そこに新堂と酒井の姿は無かった。
元々、この地下は武田家が代々貯蔵庫として使用してきたスペースを改装したもの。
リフォームするにあたり、2つあった入口をもしものためにと残していた。
その入口がちょうど、新堂と酒井の背面の壁に通じていたのだ。
新堂と酒井の2人は火の手が及ぶギリギリのところで、そこから地上へと脱出してしまったようだ。
菅原は自分の命と引き換えに2人を道ずれにしようとしたが、それはあえなく失敗に終わってしまったのだ。
「僕はずっと.....生まれ変わりたかったんだ。いや.....生まれ直したかったのかもしれないね.....」
薄れ行く意識の中、菅原はそんなことを思う。
「...もう一度.....もう一度やり直せるなら...今度は女の子がいいな。そうだな.....亜美のお腹の中に生まれ変わって.......あんな風な...............」
雅彦は寝室に入ると、書斎として利用していた机の引き出しを開け、その中から『封の切られた一通の封筒』を取り出す。
この封筒の中身を、以前から度々眺めていた雅彦。
亜美にそれを見つかりそうになると、咄嗟に引き出しの奥に仕舞い込んで隠していた、あの封筒だ。
雅彦はその封筒を握り締め、外へと脱出した。
一方、燃え盛る炎に包まれた地下室ではーー。
「...あーあー。だから僕...こんなキャラじゃ無いって言ったのに...」
菅原はひとり床に寝転び、そんなことをボヤく。
「最後にいい人やろうとしたけど...やっぱりダメだったみたい。罰って当たるんだなぁ...。まさかあんなとこに脱出口があるなんて...ははっ...笑っちゃうよね.....カッコ悪いったらありゃしないよ...」
そこに新堂と酒井の姿は無かった。
元々、この地下は武田家が代々貯蔵庫として使用してきたスペースを改装したもの。
リフォームするにあたり、2つあった入口をもしものためにと残していた。
その入口がちょうど、新堂と酒井の背面の壁に通じていたのだ。
新堂と酒井の2人は火の手が及ぶギリギリのところで、そこから地上へと脱出してしまったようだ。
菅原は自分の命と引き換えに2人を道ずれにしようとしたが、それはあえなく失敗に終わってしまったのだ。
「僕はずっと.....生まれ変わりたかったんだ。いや.....生まれ直したかったのかもしれないね.....」
薄れ行く意識の中、菅原はそんなことを思う。
「...もう一度.....もう一度やり直せるなら...今度は女の子がいいな。そうだな.....亜美のお腹の中に生まれ変わって.......あんな風な...............」

