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セイドレイ【完結】
第53章 落日
吹き荒れる暖かい4月の風が、新しい季節の到来を告げている。

郊外にある中古の一軒家。
外観はその経年を感じさせるが、中はフルリノベーションされている。

表札には、『市川』の文字。

ここに、ひとつの『家族』が暮らしている。


「...せっかくだし、玄関の前でも1枚撮ってくか?朝日~!陽気~!写真撮るからちょっとそこに立って~」

「はーい!」

「...えーっと、シャッター自動、自動.....お、これかな?...よし。セット完了。あとはママが...あれ、まだ準備してるのかな?お~い!ママー?写真撮るからちょっとこっち来て~」

今日は、小学校の入学式。
朝日と陽気は、一年生になった。

まるでランドセルが歩いているかのような2人。
学校指定の黄色い帽子を被り、お揃いの服を着ている。

お互いの蝶ネクタイを直し合うその姿は、ちょっとだけ得意気に見えた。

「パパぁ~、ママまだ~?」

「おーそーいー!ママはーやーくー!」

入学式に向かう前に、我が家の前で記念写真を撮ろうとするのだが、母である亜美が一向に家の中から出てこない。

「...何やってんだママ...そろそろ学校に向かわないと式に間に合わないぜ...?おーい、2人とも。ちょっとママ呼んでくるからそこで待ってて」

この家の主であるこの男。
現在は亜美の夫であり、またその連れ子である双子の息子の父親である。

つまり、亜美は『人妻』となっていたのだ。

結婚したのは今から1年ほど前。
表札が『市川』となっているのは、婚姻の際に妻である亜美の姓を選択したからであった。

この一軒家は、入籍の少し前に亜美が一括購入している。

事件の舞台となったあの街を離れ、亜美はこの静かな街を新しい生活の拠点に選んだ。

都心部からは少し離れているが、車さえあれば便利な所だ。
自宅付近には大型のスーパーマーケットやコンビニなどが立ち並び、生活圏内に必要なものは全て揃っている。

医療や福祉も充実しており、程よく田舎で、程よく都会。

そんなこの街に、現在21歳になった亜美が暮らしている。
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