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セイドレイ【完結】
第53章 落日

「おーい、ママ~。何してるの~?そろそろ行かないと...」
夫である男が亜美を呼ぶためにリビングに向かうと、亜美はスマホを片手に誰かと通話しているようだった。
「...事故渋滞??うそー...またタイミング悪いね...うん、いいよ。急がなくていいからゆっくり来て。うん。...うふふ。そうそう、子供達も『じーじ』に会うの楽しみにしてるから。うん。はーい。じゃ、私達はそろそろ家出るね。はーい、じゃあ気をつけて来てね」
電話の相手は、父である啓太郎のようだ。
今日は孫の入学式を見に来ることになっていたのだが、どうやら事故渋滞に巻き込まれてしまったようだ。
電話を切り、慌てて持ち物を確認する妻の姿に、夫はつい見蕩れてしまう。
初めて見た時から、その美しさは変わらないどころか、むしろ日に日に増している。
特に今日は入学式ということもあり、見慣れないフォーマルな装いに身を包んでいる。
緩く巻かれた髪はより雰囲気を柔らかいものにし、薄づきではあるものの普段よりはしっかりと施されたメイクは、その魅力をより一層引き立てていた。
きっと、入学式でも人目を引くに違いない。
シックにまとめられていても、主役である子供達よりも目立ってしまうのではないだろうかと、夫は妻を見て思わず顔が綻んでしまうのだ。
「...わっ!?い、いつからそこに居ました...??」
やっと夫の存在に気づいた亜美がびっくりしている。
そんな驚いた表情も可愛い。
「...ん?1分くらい前から居るよ。なかなか出てこないから、何してるのかなーって思ってさ。それよりお義父さん、大丈夫か?」
「あ...うん。せっかく早めに出たのに事故渋滞に巻き込まれちゃったんだって...はっ!?ていうかもうこんな時間っ...!急がないと遅れちゃうっ...」
「...ねぇ、亜美?」
「...え?な、なんか私の顔、変です...?あ、それとも髪型??」
そう言う亜美に、夫は無言で近寄り、耳元で囁く。
「す、すごく綺麗だよ...もうヤバいくらい...。ね、ねぇ...『マッマ』...今夜は...マッマのおっぱいほしい...いっぱいほしいっ...ダメ...?」
「...もう...『健一』さんたら...昨日もしたでしょ?...はーい。子供達が寝てからね。よしよし...」
夫である男が亜美を呼ぶためにリビングに向かうと、亜美はスマホを片手に誰かと通話しているようだった。
「...事故渋滞??うそー...またタイミング悪いね...うん、いいよ。急がなくていいからゆっくり来て。うん。...うふふ。そうそう、子供達も『じーじ』に会うの楽しみにしてるから。うん。はーい。じゃ、私達はそろそろ家出るね。はーい、じゃあ気をつけて来てね」
電話の相手は、父である啓太郎のようだ。
今日は孫の入学式を見に来ることになっていたのだが、どうやら事故渋滞に巻き込まれてしまったようだ。
電話を切り、慌てて持ち物を確認する妻の姿に、夫はつい見蕩れてしまう。
初めて見た時から、その美しさは変わらないどころか、むしろ日に日に増している。
特に今日は入学式ということもあり、見慣れないフォーマルな装いに身を包んでいる。
緩く巻かれた髪はより雰囲気を柔らかいものにし、薄づきではあるものの普段よりはしっかりと施されたメイクは、その魅力をより一層引き立てていた。
きっと、入学式でも人目を引くに違いない。
シックにまとめられていても、主役である子供達よりも目立ってしまうのではないだろうかと、夫は妻を見て思わず顔が綻んでしまうのだ。
「...わっ!?い、いつからそこに居ました...??」
やっと夫の存在に気づいた亜美がびっくりしている。
そんな驚いた表情も可愛い。
「...ん?1分くらい前から居るよ。なかなか出てこないから、何してるのかなーって思ってさ。それよりお義父さん、大丈夫か?」
「あ...うん。せっかく早めに出たのに事故渋滞に巻き込まれちゃったんだって...はっ!?ていうかもうこんな時間っ...!急がないと遅れちゃうっ...」
「...ねぇ、亜美?」
「...え?な、なんか私の顔、変です...?あ、それとも髪型??」
そう言う亜美に、夫は無言で近寄り、耳元で囁く。
「す、すごく綺麗だよ...もうヤバいくらい...。ね、ねぇ...『マッマ』...今夜は...マッマのおっぱいほしい...いっぱいほしいっ...ダメ...?」
「...もう...『健一』さんたら...昨日もしたでしょ?...はーい。子供達が寝てからね。よしよし...」

