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セイドレイ【完結】
第53章 落日

その夜ーー。
「うわぁ...!ママ!パパ!これ見て!?すげぇ...!!」
「あいぱっど!あいぱっど!!」
リビングで騒いでいる2人の息子。
慎二からの入学祝いとして贈られたタブレット端末に興奮しているようだ。
「さ、騒ぎすぎ...だよ。たいしたもんじゃないのに...」
そんな朝日と陽気の様子を見て、慎二が照れくさそうにしている。
「...へぇ。慎二、お前もたまには気の利いたことするんだな。ま、居候させてやってんだからこのくらいはしてもらわねぇと。ママもそう思うだろ?...なーんてな」
ちょうど仕事から帰宅した健一がそう言って、慎二をからかった。
亜美はキッチンで夕食の支度をしているようだが、何やらボーッとしている様子で、先程から息子や健一の問いかけに反応しない。
「...ママ?ママ!」
不審に思った健一が、再度亜美に呼び掛ける。
「.....え?あ、ご、ごめんなさいっ!お夕飯、もう少し待ってて...」
「...い、いやいや、晩飯のことは全然いいんだけど...大丈夫?なんか元気ないように見えるけど...どっか具合でも悪いの?」
「...ぜ、全然っ!ちょっと考え事しちゃって...」
「...ならいいんだけど。無理しなくていいからね?...そういや、今日どうだったの?」
「...え?」
「...いや...面接どうだったのかな~って。良さそうな感じ?」
「あ、はい...。一応、内定は頂けて...GW明けから週3で働くことに...ごめんなさい、後からちゃんと報告しようと思ってたんですけど...」
「本当に!?すげぇじゃん!やっぱさすがママだなぁ。じゃあ今週末、ママの就職祝いしなきゃな!」
「お、お祝いなんて...そんな...」
「なーに、遠慮しないでいいから。な?ママの食べたいもの、みんなで食べに行こうぜ。慎二、お前も金出せよ?」
「...言われなくても分かってるよ。てか兄貴金持ってねえんだから、俺が出すしかねぇじゃん...」
「そ、そんなっ...ほんと、お祝いなんてしなくていいですから...」
亜美は、昼間の出来事を思い返していた。
いくら健一と慎二が亜美に文句を言える立場では無いにしろ、若干の後ろめたさはある。
と同時に、またかつての非日常を思い起こさせた大川との再会に、亜美はカラダの奥が燻ってしまうのを感じていた。
「うわぁ...!ママ!パパ!これ見て!?すげぇ...!!」
「あいぱっど!あいぱっど!!」
リビングで騒いでいる2人の息子。
慎二からの入学祝いとして贈られたタブレット端末に興奮しているようだ。
「さ、騒ぎすぎ...だよ。たいしたもんじゃないのに...」
そんな朝日と陽気の様子を見て、慎二が照れくさそうにしている。
「...へぇ。慎二、お前もたまには気の利いたことするんだな。ま、居候させてやってんだからこのくらいはしてもらわねぇと。ママもそう思うだろ?...なーんてな」
ちょうど仕事から帰宅した健一がそう言って、慎二をからかった。
亜美はキッチンで夕食の支度をしているようだが、何やらボーッとしている様子で、先程から息子や健一の問いかけに反応しない。
「...ママ?ママ!」
不審に思った健一が、再度亜美に呼び掛ける。
「.....え?あ、ご、ごめんなさいっ!お夕飯、もう少し待ってて...」
「...い、いやいや、晩飯のことは全然いいんだけど...大丈夫?なんか元気ないように見えるけど...どっか具合でも悪いの?」
「...ぜ、全然っ!ちょっと考え事しちゃって...」
「...ならいいんだけど。無理しなくていいからね?...そういや、今日どうだったの?」
「...え?」
「...いや...面接どうだったのかな~って。良さそうな感じ?」
「あ、はい...。一応、内定は頂けて...GW明けから週3で働くことに...ごめんなさい、後からちゃんと報告しようと思ってたんですけど...」
「本当に!?すげぇじゃん!やっぱさすがママだなぁ。じゃあ今週末、ママの就職祝いしなきゃな!」
「お、お祝いなんて...そんな...」
「なーに、遠慮しないでいいから。な?ママの食べたいもの、みんなで食べに行こうぜ。慎二、お前も金出せよ?」
「...言われなくても分かってるよ。てか兄貴金持ってねえんだから、俺が出すしかねぇじゃん...」
「そ、そんなっ...ほんと、お祝いなんてしなくていいですから...」
亜美は、昼間の出来事を思い返していた。
いくら健一と慎二が亜美に文句を言える立場では無いにしろ、若干の後ろめたさはある。
と同時に、またかつての非日常を思い起こさせた大川との再会に、亜美はカラダの奥が燻ってしまうのを感じていた。

