この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第10章 胎動

「じゃ、俺は戻るからさ。親父が来るまで監視してろって言われたけど、もう大丈夫だもんな?」

「あ、はい…ご主人様のおかげで…」

「ふへっ。俺のおチンポが亜美の命を救った!もう変な気起こすなよ?」

「大丈夫…です。ありがとうございました…」

そうして慎二は自分の部屋に、亜美は隣りの地下室へ戻った。



(ふう……)


亜美はベッドの上に腰を下ろし、また天井から吊るされた手枷を眺める。

(ごめんね…パパ…ママ……そしてお腹の赤ちゃん……。私はまだ…そっちへは行けない)

わずかながらではあるものの、収穫は、あった。

モニター室の場所、そして予算をケチったのだろうか、その部屋の扉には鍵がついていなかった。

監視カメラが録画した映像の見方、そしてその保存方法。
慎二が操作する横で、その手順は大体把握した。

亜美はこの時、自分を幽閉するこの籠城からの脱出を、初めて本気で考え始めていた。
今すぐには無理であることも、それが困難を極めることも分かっていた。

しかし、死ぬことさえ許されなかったあの瞬間──亜美の中にこれまでとは違った気持ちが芽生えた。

それは、「怒り」という感情。
そして、「闘う」という姿勢だった。

一度ならず二度も捨てようとしたこの命。
そして消えてしまった新しい命。

もう本当にこれ以上失うものはない、そう悟った瞬間、その消えようとしていた灯火が微かに息を吹き返したのだ。


(私は…必ず、いつかここを出る。そして…──)


きっとこれからも、辛いことはあるだろう。
むしろ来週から、想像もし得ない今以上の地獄が待っているかもしれない。
また新しい生命を、無駄にするかもしれない。

それでも亜美は、生きることを選んだ。


生きて、いつかこの籠城を出る──。


亜美はおもむろにベッドから立ち上がると、纏っていた服を脱ぎ、壁一面の鏡の前で自分の姿を見た。


このカラダは、武器になる。
それは、すべてを奪われた少女に唯一与えられた、身を守る盾であり、闘うための剣だった。


その艶めかしい姿を、偶然にもモニター室のパノラマから見ていた一人の男が居た。

マジックミラー越しに少女と目が合う。

明らかにこれまでとは違うその少女の目を見た時、男は言いようのない胸の高鳴りを覚えていたのだった──。


/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ