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第39章 敗北感に溺れる…。

『はぁ…。それにしても静香のやつ遅いなぁ…』
ユタカは
そう呟いて
クルマの外に出て
タバコに火をつけた。

だが…
すぐに母親に手を引かれて
近くを歩いていた子供に
『ママぁ。タバコって臭いよぉ〜』と
話しかける声を聞いて
そそくさと
駐車場の端っこにあるある
店舗入り口脇の喫煙場所に移動した。

ったく…
タバコも思うままに吸えない時代に
なっちまったよなぁ………

そう思いながら
ふと傍らにあった
窓が半開きの建物のなかを覗いた…。


ユタカの覗いたそこは
普段は閉まっているはずの
倉庫の窓だった。
おそらくは誰かが明り取りのために
開けたままにしておいたのだろう。

そんなことに気づかないまま
今、窓の隙間から
なかを覗いた倉庫のなかでは
ユタカの死角に入っているところで
孝と静香のオーラル情事が
繰り広げられていた。