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第40章 優しい時間…。

『わぁ！　わざわざ買ってきてくれたの？　嬉しい！』
美緒は
アンナ=ベルジュールの
波袋を見つめて
そう微笑んだ。

いつもの八重歯がキラリと光った………。

その時
美緒は思わず口もとを抑えた

『どうしたの？』　
孝は美緒の心中を察して
あえて
そうとぼけて美緒に微笑んだ。

『あのね…。』
美緒はしばらく
口もとを手で抑えて
困ったように
孝を見つめてから
『多分…　動画。あ、ムロマチさんからの動画を見たよね？　………あのね。　………あの。』

『美緒。ありがとうな。おつかれさま。』
孝は
美緒の頭をクシャっ撫でながら
『これ。美緒へ頑張ったで賞。』
と言って
アンナ=ベルジュールの紙袋を手渡した。