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せめて、今夜だけ…
第9章 天使と悪魔
手に触れただけで、下着がどれだけ濡れているかがよくわかる。
魚月の口からはいやらしい唾液が糸を引いていた。

「はぁ…、んっ」
「魚月、どうされたい?」

魚月の口から聞きたい。
質の悪い支配欲が尚も渇望している。
魚月の口で言わせたい。
このまま俺にどうされたいのか。
この、ぐちゃぐちゃになった魚月を完全に支配したいと思ってしまった。

「そ、そんな…っ」

うっすらと目を開けた魚月の瞳には涙が滲んでいる。
残り僅かな理性で、まだつまらない現実にしがみついているのだろうか?

「"イカせて下さい"って、ちゃんと言えたらイカせてやるよ?」

俺はどこまで堕ちる気なんだろうか?
婚約者のいる魚月に強姦まがいの事までして、こんな台詞まで言わせようとして
どこまで魚月を踏みにじれば気がすむのだろうか?

「い、嫌…、そんな、事…っ」

へぇ、まだ抵抗する力も理性も残ってるんだな。
魚月はそういう女だ。
我慢強いと言うか、意志が強いと言うか。
この理性もどこまで保つか、ある意味見物だな。
寸止めで死ぬことはないだろう。

「そうか。いつまで保つか楽しみだな」
「ダ、ダメ…ッ!も、本当にダメ…、あぁんっ!」

再び魚月のそこに舌を這わせて行く。
最初の激しさこそないものの、魚月の体は尚も素直に快感に応じていく。


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