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せめて、今夜だけ…
第10章 溺れる魚達
―――――「よし、魚塚君の番号、ちゃんと登録出来た!コールするから私の番号も登録しておいてね」
「はい、わかりました」
俺は魚月が好きで、でも魚月はもうすぐ結婚してしまう。
お相手は、日本でもトップクラスの大企業、市原グループの御曹司。
そして、俺の学生時代の元カノである風間先輩は市原グループの人間。
みんなを交えての食事会。
何ともカオスな状態だ。
魚月のそばにいる為なら何でもすると誓った。
悪魔に魂を売った。
あんな酷いことをしてでも魚月との関係を繋いでおきたかった。
しかし…、俺はまだ気付いていなかった。
自分で仕掛けた罠に、自分がハマッてしまったことに。
抜け出せない蟻地獄に足を取られてしまっていたことに。
このまま、どこまでも堕ちていく。
深い深い地獄に…
深い深い、果てのないドン底に…。