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せめて、今夜だけ…
第12章 蛹、羽化の時
「やめ…っ!やめてぇ…っ!いやぁぁっ!」

俺が与える快楽に抗うように、手首の鎖をガチャガチャと揺らしながら抵抗しているが…
俺から逃げられるとでも思ってるのか?

逃がしてなんかやらない。
許してなんかやらない。
先程から感じてる苛立ちが加速して行く。

「あまり抵抗すると怪我するぞ?」

部屋に備え付けられている手錠。
本物ではなくプレイ用のジョークグッズだとは思うが一応鉄で出来ている。
暴れれば怪我をしておかしくない。

「ひっ、あんっ!あぁ…っ」

それでも魚月は抵抗をやめない。
俺に好き勝手にされるぐらいなら腕を折ってしまう方がマシか…。
見上げた根性だと褒めてやりたくなるよ。

好きに暴れればいい。
暴れても逃げられるはずがない。
もがけばもがくほど、逃げられないということを魚月も確信するだろう。

「あああっ!あんっ!」

じんわりと汗ばんでいく魚月の体。
魚月の体の特徴や癖はもうわかっている。
絶頂に近づくと魚月の体は熱くなり汗が滲むということを…。

「だめ…っ、だ、だめぇぇええっ!」

無意識のうちに腰を浮かせて俺を求めて来る。
絡み付くように腰をくねらせて、甘い声を漏らしながら。

「やめ…っ、あぁぁ…っ」


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