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せめて、今夜だけ…
第3章 人魚
「な…っ」
軽く、空を切るように舞った俺の手の平。
一瞬、自分の身に何が起こったのかわからなかった。
え…?今、俺、ふ、振り払われた…?
自慢じゃないが、俺の誘いを断った女なんかいない。
俺の手を振り払った女なんか…。
「安く見ないで下さい…」
その時、魚月の瞳には、さっきまで柔らかさはなくなっていた。
それどころか、まるで睨み付けるような目で俺を見つめていた。
その瞳に見つめられた瞬間、俺の背筋は凍りつくよりももっと…
まるで火傷したかのようにヒリヒリと疼いていた。
「残念ですけど、私はこの仕事が好きなんです。嫌々やってる訳じゃありませんから」
頭の中が真っ白になる俺。
こ、この女…。
が、しかし、そんな俺を余所に魚月は
「お金で買えないものもあるんですよ♪」
ニッコリと笑うと、そのまま店の方へと踵を返してしまった。
その場に取り残された俺は呆然としていた。
それは、手を振り払われた衝撃からか、それとも、初めて女に拒否された屈辱からか…。
それはまるで、あの夏の日…
憧れてた先輩に、あっさり振られたあの夏の日に感じた焦燥感―――――。
軽く、空を切るように舞った俺の手の平。
一瞬、自分の身に何が起こったのかわからなかった。
え…?今、俺、ふ、振り払われた…?
自慢じゃないが、俺の誘いを断った女なんかいない。
俺の手を振り払った女なんか…。
「安く見ないで下さい…」
その時、魚月の瞳には、さっきまで柔らかさはなくなっていた。
それどころか、まるで睨み付けるような目で俺を見つめていた。
その瞳に見つめられた瞬間、俺の背筋は凍りつくよりももっと…
まるで火傷したかのようにヒリヒリと疼いていた。
「残念ですけど、私はこの仕事が好きなんです。嫌々やってる訳じゃありませんから」
頭の中が真っ白になる俺。
こ、この女…。
が、しかし、そんな俺を余所に魚月は
「お金で買えないものもあるんですよ♪」
ニッコリと笑うと、そのまま店の方へと踵を返してしまった。
その場に取り残された俺は呆然としていた。
それは、手を振り払われた衝撃からか、それとも、初めて女に拒否された屈辱からか…。
それはまるで、あの夏の日…
憧れてた先輩に、あっさり振られたあの夏の日に感じた焦燥感―――――。