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せめて、今夜だけ…
第16章 泡沫に泳ぐ魚
少し触っただけでもわかるぐらいに、魚月のそこは湿気を帯びている。
それほどに俺の愛撫と侵入を心待にしていたということか。

「あ…っ」

まるで水を得た魚のように悦ぶ腰と体。

「そんなに待ち遠しかったのか?」

意地悪な笑みと共に魚月のそこに指を押し入れる。
ぬるぬるとした愛液のお陰で摩擦の痛みを感じる事もなく、魚月の中に入る事が出来た。

俺の指を歓迎するかのように、内壁が俺の指にまとわりつき、吸い付いてくる。

「ああぁぁ…」

シーツに爪を立てて、俺が与える快楽に身を委ね始めた。
魚月の体全部が俺を誘ってくる。
その色香に一瞬だけクラリと目眩を覚えそうになった。

「お前が好きなのはここじゃないだろ?」

挿入した中指の関節を軽く曲げる。
魚月の1番好きなところだ。
ぬるぬるとする内壁の中で、ザラついてる箇所がある。
そこを指の腹で擦るように動かすと

「あああっ!ダメッ!そ、そこは…っ、あぁぁんっ!」

Gスポットというところか…。
ここを擦るだけで魚月はいつも発狂してしまいそうな悲鳴をあげる。
まだ指を1本しか入れてないのにだ。

「ああぁっ、ひぃ…っ!やめ…っ、そこはやめて…っ!あぁんっ!」

腕を伸ばして俺の手を止めようとするが、力では敵わないという事ぐらいは魚月も気づいてるだろう。

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