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せめて、今夜だけ…
第16章 泡沫に泳ぐ魚
魚月の乳首に強めに歯を立てると、魚月の体がビクビクと反応を示す。

「ああぁぁ…っ!」

それは痛いだけの声じゃない。
魚月の性癖も、性感帯も、俺は全部知り尽くしてるつもりだ。
魚月の反応ぐらいすぐに読み取れる。

「嫌だって言ってる割りには体は素直だな」

もう片方の乳首も同時につねり上げると…

「ひぃ、い、あぁぁんっ!!」
「同時に攻められて…、そんなに気持ちいいのか?ん?」
「だ、だめ…っ!そ、んな…っ、あぁぁっ!」

痛みすら快楽に変わる体。
それは、俺が抱き壊してしまったせいなのか、翔太に調教されたものなのか。

ビクッ、ビクッと何度も体を痙攣させているが、魚月の体は乳房や乳首だけでは満足しないことも知っている。
どこをどう攻めれば悦ぶのかも知ってる。

「胸だけじゃ不満だろ?」

魚月の膝に触れ、そのまま内太股をくすぐるように掌を這わせていく。
くすぐったさから小さく震える魚月だが、強めに歯を立てるとまたすぐに大きな痙攣を繰り返す。

くすぐったさと痛み、2つの感覚が魚月の体を突き抜けているのか、もどかしさで魚月の腰が艶かしく動いて行く。

「は…、俺を誘ってんのか?挑発してんのか?」

口ではそう言いながらも、余裕がないのは俺の方だ。

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