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せめて、今夜だけ…
第16章 泡沫に泳ぐ魚
どういう動きをすれば魚月が悦ぶかなんて知り尽くしている。
焦らしたり、激しく吸い付いたり。
今の魚月なら、クリに息を吹き掛けただけでもイッてしまいそうな反応だ。

「"やだ"とか"やめて"じゃなくて、もっと色っぽい台詞も聞きたいもんだな」

太股を掴んでいた手でゆっくりと魚月の太股を愛撫して行く。
指先を滑らせたり、軽くくすぐってみたり。
魚月の体全部に絶え間なく快楽を与えて行く。

「ああぁぁっ!いいのぉ…っ!あんっ、あ、くっ!気持ちいぃ…っ!あぁぁっ!」
「………っ」

俺のリクエストに応えたつもりなのか、魚月の口から出た素直な言葉。
俺が言わせたのではなく、魚月が自主的に発した言葉だ。
自分から言ったリクエストなのに、まさか魚月が応えてくれるなんて夢にも思わなかった。
それだけ魚月の人格は崩落していると言うことだ。

「…へぇ。だったらもう少し続けてやろうか?」
「だ、だめ…っ!それ、はぁ…、ああんっ!!」

俺の愛撫で感じながら壊れていく。
刻一刻と魚月が破壊されていくのがわかる。

「だ、だ、めぇっ、イクッ!イク、イクッ!!」

さっきまで恥ずかしさを感じていた魚月の声はもう無く、今はただ必死に絶頂が近いことを訴えこの時間から解放されたいという気持ちがひしひしと伝わって来る。
魚月にとって見れば拷問のような時間だったのだろうから。

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