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せめて、今夜だけ…
第17章 人魚が残した猛毒
こんな状態で別の女を抱くなんて出来る訳がない。
しかも相手は昔の元カノで、今や魚月の婚約者の身近の人間。
洒落にならない…。
「由之、どうしたの?ねぇ?」
先輩の手が項垂れる俺の肩に触れた。
違う…。
先輩がどうこうという話しではない。
魚月以外の女なんて抱けない。
抱きたくない…。
「本当に…、すいません…」
「由之…」
布団で素肌を隠しながらも、先輩は俺のそばに寄り添ってくる。
こんな時の男なんて無力だ。
女性を満足させることも出来ず、優しくフォローも出来ないのだから。
「ねぇ?別に無理に魚月さんを忘れろって言ってるんじゃなくて…、その、今は暇潰しでもいいし、由之の気が紛れるならって…」
気まずさを誤魔化すように…、女性の口からここまで言わせてしまっているのに、俺の心も体もピクリとも動かない。
昔は本能のままに動いていたのに。
暇潰し程度にしか考えてなかったのに。
「……ダメ、なんです…」
「え?」
どんなに変わりを探そうとしても見つかりっこない。
どんなに忘れようとしても全て徒労で終わってしまう。
何をしても、俺の中から完全に魚月を消すことなんて出来ない。
だって、俺はまだこんなに―――――。
「すいません、安西さん…っ」
しかも相手は昔の元カノで、今や魚月の婚約者の身近の人間。
洒落にならない…。
「由之、どうしたの?ねぇ?」
先輩の手が項垂れる俺の肩に触れた。
違う…。
先輩がどうこうという話しではない。
魚月以外の女なんて抱けない。
抱きたくない…。
「本当に…、すいません…」
「由之…」
布団で素肌を隠しながらも、先輩は俺のそばに寄り添ってくる。
こんな時の男なんて無力だ。
女性を満足させることも出来ず、優しくフォローも出来ないのだから。
「ねぇ?別に無理に魚月さんを忘れろって言ってるんじゃなくて…、その、今は暇潰しでもいいし、由之の気が紛れるならって…」
気まずさを誤魔化すように…、女性の口からここまで言わせてしまっているのに、俺の心も体もピクリとも動かない。
昔は本能のままに動いていたのに。
暇潰し程度にしか考えてなかったのに。
「……ダメ、なんです…」
「え?」
どんなに変わりを探そうとしても見つかりっこない。
どんなに忘れようとしても全て徒労で終わってしまう。
何をしても、俺の中から完全に魚月を消すことなんて出来ない。
だって、俺はまだこんなに―――――。
「すいません、安西さん…っ」