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せめて、今夜だけ…
第19章 欲心と懺悔
「食事は?もう済ませたの?シャンパン買って来たからどうかしら?」
「いえ…」
「一応シャンパングラスも買ってきたの。雰囲気出るでしょ?」
「…………。」
キッチンでウキウキとスーパーで買ってきたものを広げている先輩。
恐らくここに来る前に立ち寄ったスーパーでいろいろと買ってきたのだろうけど。
「食欲ないの?シャンパンだけなら呑めるでしょ?あ、でも空きっ腹にアルコールは不味いかしらね」
「いえ、い、頂きます…」
いや、先輩は何でこんなにウキウキしてるんだ?
しかもこんな時にシャンパンなんて。
俺が気まずくならないようにわざと明るく振る舞ってくれてるのだろうか?
早く話しを進めたいが、ここで先輩の機嫌を損ねたくない。
ただでさえ昨日は先輩を傷つけてしまってるのだから。
「おつまみとか何もないけど、シャンパンだけでいい?」
「……はい」
まぁ、つまみなんか出されたって食べる気にもならないだろうし酒だけでいい。
まるで焦らされてる気分だ。
先輩は本当に話しをしてくれるつもりなのだろうか?
楽しく酒なんか呑める気分じゃねぇんだけど。
「~♪」
先輩は鼻歌を歌いながらシャンパンの準備をしている。