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せめて、今夜だけ…
第22章 核心
どんなに最低でも、どんなに高圧的でも、翔太は魚月の婚約者だった。
愛はなかったかも知れないが、それでも2人は夫婦になる予定だった。
2人で人生を添い遂げるはずだった。
だが、翔太はずっと魚月を裏切っていたのだ。
魚月という婚約者がいながら、何人もの女と…。
周りの声が、ノイズのように聞こえて来た。
耳障りな不協和音。
それが、だんだん俺の耳から遠ざかって行く。
なぁ、魚月。
お前が今、どこにいるかはわからないが
もういいよな?
翔太はずっと、魚月を裏切っていたんだ。
世間体の為だけに魚月と結婚しようとしていたんだ。
どんなに反発しあってても、いつかは愛が産まれるんじゃないかと思っていた。
翔太と幸せになって欲しかった。
ずっとそう願ってた。
でも、もういいよな?
俺が全力で、お前を奪っても―――――――。