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第27章 海底、奥深く…

その台詞が俺の鼓膜に届いた瞬間、体の中から込み上げてくる幸福感を感じた。
微かな、今にも消え入りそうな小さな声だったが、俺がどれだけその台詞を待ちわびたか。

「あぁぁんっ！好き、です…。魚塚さ…っ！あああっ！」

堰を切ったかのように魚月の口から零れ出す言葉達。
その台詞を聞いてるだけで…、もう本当に死んでもいい気分だった。
快楽に耐えきれず助けを乞う偽りの台詞かも知れないが、今だけは魚月の本音だと信じたい。
嘘でも構わないと思えるぐらいに、俺は魚月に溺れてるんだから。

「魚月…っ」
「ああっ、わ、私にはずっと…、んぅ…っ！あぁぁぁ…、魚塚さんだけ、でした…っ！」




――――――愛してる。
俺にもずっと魚月だけだった。
魚月の事しか考えられなかった。




「ああっ！またイッ…、あんっ！」

何度目かの絶頂か、もう数えてもいない。
魚月は何度も何度も登り詰めていた。
もう少し、魚月の中にいたいが…。
いや、このままずっと魚月の中にいたい気分だが
どうやら俺が保ちそうにない。

情けない話しだが、魚月の告白が聞けて、俺の気持ちは高揚し切っている。
俺の我慢ももう限界のようだな。